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ダイワハウスの外壁塗装|XEVOシリーズ別の注意点とDXウォール・ベルサイクスの正しいメンテナンス方法

この記事の監修者

ヨコイ塗装 代表 横井隆之

愛知県で50年続く塗装店の2代目。200件以上の施工実績を持ち、著書に『外壁塗装の不都合な真実』『塗装方程式』『外壁塗装 工程別チェックポイント21』(Kindle)がある。見積もり診断サービス「ペンキのミカタ」を運営し、全国の施主に中立的なアドバイスを提供している。

はじめに

ダイワハウスの外壁塗装は、他のハウスメーカーより「厄介」です。

なぜか。外壁材の種類が多すぎるからです。

積水ハウスなら「ダインコンクリートかベルバーンか」。ヘーベルハウスなら「ALC一択」。セキスイハイムなら「磁器タイル」。それぞれ特性がはっきりしているので、対策も明確です。

ところがダイワハウスのxevoシリーズは、DXウォール、ベルサイクス、KIRARI+コート、一般サイディングと、グレードによって外壁材がまるで違います。そして、それぞれに全く異なるメンテナンス戦略が必要になる。

特に注意が必要なのは以下の3つです。

①ベルサイクスの「深彫り」:業界最大級の12mmの凹凸。ローラーでは塗れない溝がある。単色で塗りつぶすと高級感が台無しになる。

②KIRARI+の「光触媒」:普通の塗料を塗ると、光触媒が新しい塗膜を分解して剥がしてしまう。知らない業者が塗ると1〜2年でペラペラと剥離する。

③外張り断熱の「通気層」:壁の中に空気の通り道がある。これを塗装で塞ぐと壁体内結露を引き起こす。

50年間さまざまなハウスメーカーの住宅を見てきましたが、ダイワハウスは「業者の知識不足による施工事故」が最も起きやすいメーカーだと感じています。この記事では、あなたの家の外壁タイプを特定し、それぞれに最適なメンテナンス方法を解説します。

→ ハウスメーカー全体の保証構造や中間マージンの仕組みは、ハウスメーカー別メンテナンスガイド|保証の真実と100万円節約する方法で詳しく解説しています。

まず確認 — あなたのxevoの外壁は何か

外壁タイプ早見表

ダイワハウスの外壁は大きく4タイプに分けられます。まず、あなたの家がどれに該当するかを確認してください。

外壁タイプ採用シリーズ見た目の特徴メンテナンスの難度
DXウォールxevoΣ、xevo E等高密度・平滑。石調・タイル調の柄★★☆(中)標準的な再塗装で対応可
ベルサイクスxevoΣプレミアム等12mmの深彫り。陰影が豊か★★★(高)塗り方を間違えると高級感が消える
KIRARI+コート上位グレード全般見た目では判別困難。仕様書で確認★★★(高)専用下塗りが必須
一般サイディングxevo B等のエントリー一般的な窯業系サイディング★☆☆(低)通常の塗装工事で対応

KIRARI+は外見で判別できません。 建築時の仕様書・図面・契約書で確認するか、ダイワハウスリフォームに問い合わせてください。判別を誤ると塗膜剥離の大事故につながります。

DXウォールの塗装 — 硬くて緻密な外壁材の注意点

DXウォールとは

DXウォールは、セメントに補強繊維を混入し、オートクレーブ(高温高圧蒸気)養生で結晶構造を安定化させた高密度サイディングです。一般的なサイディングより硬く、寸法安定性が高く、軽量。地震時の建物負荷も軽減されます。

再塗装の技術ポイント

強み:表面が緻密で平滑なため、塗料の吸い込みが少なく、仕上がりの均一性が高い。

弱み:基材が硬質で柔軟性に乏しいため、地震時に微細なクラック(ヘアクラック)が入りやすい。

対策:下塗りに微弾性フィラー(可とう性=柔軟性のある下塗り材)を選定し、塗膜でクラックを追従・被覆する設計にします。硬い下塗りの上に硬い上塗りを重ねると、クラックがそのまま表面に出てしまいます。

DXウォール単体であれば、一般的な塗装業者でも対応可能です。ただし、KIRARI+コートが施されている場合は話が全く変わります(後述)。

ベルサイクスの塗装 — 「深彫り12mm」を殺さない方法

ベルサイクスの何が難しいのか

ベルサイクスは業界最大級の12mmという深彫り(凹凸)が生む陰影が最大の特徴です。光の角度によって石やタイルのような表情を見せるプレミアム外壁材——しかし、この凹凸こそが再塗装の最大の難関です。

ローラーだけでは塗れません。 凹部(溝の底)に塗料が届かず塗り残しが発生するか、逆に凹部に塗料が溜まりすぎてタレが出ます。スプレー吹き付けと刷毛・ローラーの併用による入念な手作業が必須です。

絶対に避けるべき「ベタ塗り」

ベルサイクスは元々、多色刷りやグラデーション塗装で石・タイルの質感を再現しています。これを単色の塗料で塗りつぶす(ベタ塗り)と、高級感がすべて消え、プラスチックのような安っぽい質感になります。

数百万円の外壁材が、塗り方ひとつで台無しになる。これがベルサイクスの怖さです。

3つの塗装工法の選択

工法条件仕上がり費用感
クリヤー塗装チョーキング・色褪せが起きる前に施工既存デザインを完全に維持。最も美しい
多彩模様塗装劣化が進行した場合石調・タイル調のデザインを復元できる高い
ベタ塗り非推奨。高級感が消える安いが価値を毀損

クリヤー塗装を選べるかどうかは「タイミング」で決まります。 チョーキングが始まる前(築10〜12年前後)に施工すれば、透明保護塗料でデザインをそのまま残せます。劣化が進むとクリヤーは使えなくなり、選択肢が狭まります。

→ 劣化の見極め方は築10年の定期点検で「塗装が必要」と言われたらで詳しく解説しています。

KIRARI+(光触媒コート)— 最も危険な「塗ってはいけない壁」

なぜ「塗ってはいけない」のか

KIRARI+は、光触媒層と無機塗装層を組み合わせた多層コーティングです。紫外線で汚れを分解し、雨で洗い流す「セルフクリーニング機能」を持ちます。

問題は再塗装時です。光触媒コーティングが生きている壁の上に一般的な下塗り材を塗ると、光触媒の酸化分解力が新しい塗膜の樹脂を攻撃し、界面から剥離させます。

これは業界で「ラジカル剥離」と呼ばれる事故で、施工後1〜2年で塗膜がシート状にペラペラと剥がれ始めます。リカバリーには剥がれた塗膜を全面除去してやり直す必要があり、最初の工事費以上のコストがかかります。

唯一の対策:難付着サイディング用プライマー

KIRARI+を再塗装する場合、専用の2液型エポキシ系シーラーの使用が絶対条件です。

製品名メーカー特徴
ファインパーフェクトシーラー日本ペイント2液型溶剤エポキシ。難付着ボードの定番
エスケーハイブリッドシーラーEPOエスケー化研2液型。高い浸透密着力
アレスダイナミックシーラーマイルド関西ペイント湿潤面対応。施工性が良い

これらの専用プライマーが光触媒層への密着性を確保しつつ、分解作用を封じ込めます。「強力なシーラーを使うので大丈夫です」という業者は、難付着サイディングを理解していません。「何のシーラーを使うか」を商品名で答えられなければ不合格です。

→ 難付着サイディングの見分け方と対策の全体像は、別途詳しい記事で解説予定です。

「通気層」を塞ぐな — ダイワハウス最大の施工事故

外張り断熱通気外壁の仕組み

xevoシリーズの技術的根幹が「外張り断熱通気外壁」です。鉄骨フレームの外側を断熱材で覆い、その外側に通気層を設け、さらにその外側にサイディングを張る多層構造。

この通気層には2つの役割があります。

夏:太陽で熱せられた空気を上昇気流で屋根裏から排出(遮熱効果)

冬:壁体内の湿気を外部へ逃がす(結露防止)

塗装業者が犯す致命的ミス

土台水切り部分(壁の最下部)の隙間を塞いでしまう。 ここは通気層の空気取入口です。「隙間があるから埋めておきました」は親切心のつもりでも、建物の呼吸を止めるに等しい致命的なミスです。

同様に、軒天の換気口や換気部材を塗料で詰まらせるのもNGです。

結果:壁体内の湿気が排出されず、断熱材のカビ発生、鉄骨フレームの結露・錆、塗膜の膨れ(ブリスター)を引き起こします。

目地(シーリング)— ダイワハウスの防水の要

鉄骨造は「動く」

鉄骨造の住宅は、木造より構造体の熱膨張係数が大きく、気温変化で建物全体が微細に伸縮します。この「動き」を吸収する緩衝材がシーリング(コーキング)です。

ダイワハウスのシーリングは、伸縮運動と紫外線のダブルパンチで劣化します。ひび割れ、痩せ、界面剥離——いずれも雨水の浸入経路になります。

ガスケット(定型目地)のブリード対策

ダイワハウスの一部の仕様では、シーリングではなくゴム製のガスケットが使われています。このガスケットに含まれる可塑剤が塗膜に移行すると、ベタつきや黒い筋状の汚染(ブリード現象)を引き起こします。

対策は逆プライマー(可塑剤移行防止プライマー)の塗布。これを飛ばして直接塗装すると、数年で汚染が表面化します。

→ ブリード対策の詳細は積水ハウスの外壁塗装ガイド

ヘーベルハウスの外壁塗装ガイドでも解説しています。ハウスメーカーごとに呼び方は違いますが、原理は同じです。

シーリング材の選定

選択肢耐用年数推奨度
一般変成シリコン7〜10年△ 次の塗装時に再度打替え必要
高耐久変成シリコン15年程度○ コスパが良い
オートンイクシード20〜30年◎ 純正以上の耐久性。塗料の寿命と同期できる

セルフ診断 — 4つの確認ポイント

①チョーキングテスト

外壁を指で擦って白い粉が付けば、塗膜の劣化が始まっています。ただしKIRARI+は樹脂成分が少ないためチョーキングが起きにくい。 色褪せやツヤ引けで判断してください。

②シーリングの状態

目地のシーリングにひび割れ・痩せ・剥離があれば補修の合図。ダイワハウスは鉄骨の熱膨張でシーリングに負荷がかかりやすいため、他のメーカーより劣化が早い傾向があります。

③サイディングの反り・浮き

ボードの端部が外側に反り返っている、浮き上がっている場合は要注意。塗装では直りません。 ビス増し打ちによる矯正か、重度なら部分張替え・カバー工法が必要です。

④北面の藻・カビ

北面や通風不良箇所の緑・黒の変色。初期は美観の問題ですが、菌糸が塗膜や基材に侵入すると材料を分解します。通常の高圧洗浄では菌糸が残り再発するため、バイオ洗浄(殺菌洗浄)が必要です。

費用比較 — 純正リフォーム vs 専門業者

延床30〜40坪の見積もりシミュレーション

工事項目ダイワハウス純正地域の優良専門店差額
足場+養生28万円18万円10万円
高圧洗浄6万円4万円2万円
シーリング打替え40万円25万円15万円
外壁塗装(フッ素級)75万円50万円25万円
屋根塗装35万円20万円15万円
付帯部塗装30万円20万円10万円
諸経費・管理費25万円8万円17万円
合計239万円145万円約94万円

差額94万円。 これを「15年間の保証延長料」と考えると、年間約6.3万円の保険料です。

純正で使用される塗料(ニューレイヤー等)は、日本ペイントなどからのOEM供給品であるケースが多く、塗料そのものの性能差は価格差ほどありません。

→ 見積もり金額の構造的な解剖はハウスメーカーの外壁塗装はなぜ高い?で詳しく解説しています。

60年LCC比較

シナリオ築15年築30年築45年築60年60年累計
フル純正240万円240万円240万円300万円約1,020万円
優良専門業者145万円145万円145万円200万円約635万円
差額約385万円

60年間で385万円の差。 この金額があれば、キッチン・浴室の全面リフォームが余裕で実現できます。

私の著書『塗装方程式』の品質公式——品質=モチベーション×技術×時間で考えてみてください。純正240万円のうち職人に届く金額と、専門業者に直接依頼した145万円。「品質を生む時間」をどちらが確保できるか。 答えは明らかです。

→ この人工理論の詳細は人工(にんく)という視点で解説しています。

業者を見抜く「踏み絵」質問4選

ダイワハウスは外壁材の種類が多く、業者の知識不足による施工事故が最も起きやすいメーカーです。以下の質問で技術力を確認してください。

質問①:「この外壁は光触媒コーティングの可能性がありますが、下塗り材は何を使いますか?」

回答判定
「難付着サイディング用の2液型エポキシシーラー(ファインパーフェクトシーラー等)を使います。事前に密着テストも行います」合格
「強力なシーラーを使うので大丈夫です」「微弾性フィラーを厚塗りします」不合格 — KIRARI+で塗膜剥離の事故を起こすタイプ

質問②:「ベルサイクスの深彫りはどう塗りますか?」

回答判定
「スプレーと刷毛・ローラーを併用します。凹部の塗り残しとタレに注意して手作業で仕上げます。クリヤーか多彩模様塗装をお勧めします」合格
「ローラーで2回塗ります」不合格 — 凹部の塗り残し、もしくはベタ塗りで高級感が消える

質問③:「目地のガスケットはどう処理しますか?」

回答判定
「劣化していれば撤去してオートンイクシード等で打替え。状態が良ければ逆プライマー(可塑剤移行防止プライマー)を塗布してから塗装します」合格
「そのまま上から塗ります」不合格 — ブリード現象を引き起こす

質問④:「土台水切りの上部はコーキングしますか?」

回答判定
「いいえ。そこは通気層の入口なので絶対に塞ぎません」合格 — ダイワハウスの構造を理解
「隙間があるので埋めておきます」不合格 — 壁体内結露を引き起こす致命的ミス

4問すべてに合格回答ができて初めて、ダイワハウスの施工が任せられる業者です。 特に質問①と④は、間違えると建物に深刻なダメージを与える項目です。

→ 業者選定の詳しい基準は良い業者の見分け方ガイドで解説しています。

ダイワハウスの保証「AQ Asset」の構造

初期保証と延長の仕組み

項目内容
初期保証(構造・防水)30年(xevoΣ等)/ 20年(xevoM3等)
延長条件ダイワハウスリフォーム(純正)による有償メンテナンス工事
延長単位主に15年ごと(商品により10年)
最長60年以上(繰り返し延長)

保証を手放すべきか、維持すべきか

あなたの状況判断
5年以内に売却予定純正維持。「スムストック」認定維持は査定で有利
永住志向・コスパ重視社外検討。築15年超なら構造的初期不良のリスクはほぼ解消済み
築20年超で保証切れ社外一択。縛りなし、最適な業者を自由に選べる

→ 保証と費用の構造的な解剖はハウスメーカーの外壁塗装はなぜ高い?で詳しく解説しています。

まとめ — ダイワハウスオーナーの最適戦略

外壁タイプ別アクションプラン

外壁タイプ最優先の注意点推奨工法費用の目安(専門業者)
DXウォール微弾性フィラーでクラック対策一般的な再塗装120万〜150万円
ベルサイクス深彫りを殺さない。ベタ塗り厳禁クリヤー or 多彩模様塗装150万〜180万円
KIRARI+専用プライマー必須。誤ると全面剥離難付着対応2液シーラー+高耐久塗装140万〜170万円
一般サイディング標準的なメンテナンス通常の塗装工事100万〜130万円

全タイプ共通の鉄則

① 通気層を絶対に塞がない(土台水切り・軒天換気口)

② シーリングは打替えが原則(増し打ちは応急処置)

③ ガスケットには逆プライマー(ブリード防止)

④ 業者は「踏み絵4問」で選ぶ

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