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外壁塗装はどこに頼む?ハウスメーカー・量販店・地元店のマージン図鑑

はじめに:外壁塗装、どこに頼めばいいの?

「外壁塗装って、結局どこに頼めばいいの?」

これは、塗装を検討するほぼすべてのお客様が最初にぶつかる疑問です。ハウスメーカー、家電量販店、一括見積もりサイト、訪問販売、地元の塗装店……。選択肢が多すぎて、何を基準に選べばいいのかわからないという声をよく聞きます。

この記事では、50年間で5,000件以上の外壁塗装を手がけてきた職人の視点から、5つの業態の仕組みと「中間マージン」の実態を完全公開します。

結論を先に言うと、同じ100万円を払っても、依頼先によって実際に塗装工事に使われる金額は50万円〜85万円と大きく異なります。この差が、塗料のグレード・職人の質・工事の丁寧さに直結するのです。

まず外壁塗装の原価構造を理解したい方は「外壁塗装の原価完全公開」をご覧ください。本記事と合わせて読むことで、見積書の見え方が変わります。

外壁塗装を依頼できる5つの業態

外壁塗装の依頼先は、大きく分けて5つの業態に分類できます。それぞれの仕組みと特徴を理解することで、自分に合った依頼先が見えてきます。

① ハウスメーカー・工務店

新築時にお世話になったハウスメーカーや工務店に、そのまま外壁塗装を依頼するケースです。

仕組み:ハウスメーカーが窓口となり、実際の施工は下請け → 孫請けの塗装業者が行います。営業担当 → 工事管理部門 → 元請け業者 → 下請け塗装店と、3〜4層の「多重下請け構造」になっているのが一般的です。

  • メリット:ブランドの安心感、住宅の建築データを持っている
  • デメリット:中間マージン40〜50%、施工する職人を選べない
  • おすすめな人:「費用より安心感を優先したい」「メーカー保証を継続したい」方

詳しい比較は「大手ハウスメーカーvs地元業者の徹底分析」で解説しています。

② 家電量販店・ホームセンター

エディオン、ヤマダデンキ、カインズなどの大手量販店でも外壁塗装を受け付けています。

仕組み:量販店が窓口となり、提携する地元の塗装業者に工事を発注します。ハウスメーカーほど多重構造ではありませんが、量販店のマージンが上乗せされます。

  • メリット:ポイント還元、大手の信用力、店舗で気軽に相談できる
  • デメリット:中間マージン15〜25%、担当者が塗装の専門家ではない
  • おすすめな人:「ポイントを活用したい」「大手の安心感が欲しい」方

③ 一括見積もりサイト

「ヌリカエ」「外壁塗装の窓口」「プロヌリ」などのWebサービスで、複数の業者から一括で見積もりを取れるサービスです。

仕組み:サイトが集客し、登録業者に紹介料(1件あたり1〜3万円程度)を課金します。業者は紹介料を工事費用に上乗せするため、その分が見積もりに反映されます。

  • メリット:複数社を一度に比較できる、相場感がわかる
  • デメリット:中間マージン10〜20%、紹介される業者の質にばらつき
  • おすすめな人:「まず相場を知りたい」「自分で業者を探すのが面倒」な方

一括見積もりサイトの詳しい仕組みは「一括見積もりサイトの本当の仕組み」で解説しています。

④ 訪問販売

「お宅の外壁、かなり劣化していますよ」と突然訪ねてくる業者です。

仕組み:営業マンが個人宅を一軒一軒回り、不安を煽って契約を取ります。営業マンの歩合(成約金額の20〜30%)+会社の利益が上乗せされるため、総額が大幅に高くなります。

  • メリット:自分で探す手間がない(※ほぼこれだけ)
  • デメリット:中間マージン30〜50%、契約を急かされる、品質管理が不透明
  • おすすめな人:基本的におすすめしません

⚠️ 訪問販売は特定商取引法により、契約後8日間はクーリングオフが可能です。「今日中に契約すれば値引き」など即決を迫る業者は要注意です。

⑤ 地元の塗装専門店(直接依頼)

地域に根ざした塗装専門店に直接依頼するケースです。

仕組み:お客様と塗装店が直接やり取りし、自社の職人が施工します。中間業者が入らないため、支払った費用の大部分が実際の工事に使われます。

  • メリット:中間マージン0%、職人の顔が見える、柔軟な対応
  • デメリット:自分で優良店を見極める必要がある
  • おすすめな人:「コスパ重視」「工事品質にこだわりたい」方

業態別「中間マージン」徹底比較

ここまで5つの業態を紹介しましたが、最も重要な違いは「中間マージン」です。中間マージンとは、お客様が支払う金額のうち、実際の塗装工事には使われない費用のことです。

中間マージンの詳しい仕組みは「中間マージンの正体」で解説していますが、ここでは業態別に比較します。

業態別マージン率

  • ハウスメーカー:40〜50%(営業・管理・下請け・孫請けの各層でマージン発生)
  • 訪問販売:30〜50%(営業マンの歩合20〜30% + 会社利益)
  • 家電量販店:15〜25%(店舗運営費 + 紹介マージン)
  • 一括見積もりサイト:10〜20%(紹介料1〜3万円/件 + 成約手数料)
  • 地元塗装店(直接):0%(中間業者なし)

この差は、決して「安かろう悪かろう」の話ではありません。中間マージンは工事品質の向上には一切寄与しない「流通コスト」です。

100万円払ったら、実際に塗装に使われる金額は?

具体的にイメージしていただくため、「100万円の外壁塗装」を依頼した場合の内訳を業態別に比較します。

ハウスメーカー経由の場合(マージン率45%)

  • お客様の支払い:100万円
  • ハウスメーカーの取り分:30万円(営業・管理費)
  • 元請け業者の取り分:15万円(工事管理費)
  • 実際の塗装工事費:55万円

55万円で100万円分の工事を求められるため、塗装店は塗料のグレードを下げる、工程を省略する、経験の浅い職人を使うなどしてコストを圧縮せざるを得ません。

地元塗装店に直接依頼の場合(マージン0%)

  • お客様の支払い:100万円
  • 塗装店の利益:15万円(適正利益)
  • 実際の塗装工事費:85万円

同じ100万円でも、実際に工事に使われる金額に30万円もの差が生まれます。この30万円分は、より良い塗料の使用、丁寧な下地処理、熟練職人の人件費に充てることができます。

工事費の内訳をさらに詳しく知りたい方は「外壁塗装の原価完全公開」をご覧ください。材料費・人件費・利益の構造を数値で解説しています。

なぜ中間マージンで品質が下がるのか?

「中間マージンが高いと品質が下がる」と言われても、ピンとこない方もいるでしょう。具体的に何が変わるのかを説明します。

塗料のグレードが下がる

見積書に「シリコン塗料」と書いてあっても、シリコン塗料の中にも1缶1万円の普及品から3万円の高耐候品まで幅があります。予算が圧迫されると、最低ランクの塗料が選ばれます。

下地処理が簡略化される

外壁塗装の持ちを左右するのは、実は塗料よりも「下地処理」です。高圧洗浄の時間短縮、ケレン(研磨)の省略、クラック補修の簡略化など、目に見えにくい部分からコストカットされます。

工程が省かれる

本来3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)が必要なところを2回で済ませたり、乾燥時間を十分に取らずに次の工程に進んだりします。完成直後は見た目に差が出にくいため、手抜きに気づけないのが怖いところです。

職人の質が下がる

熟練職人は人件費が高いため、予算が限られると経験の浅い職人や、日雇いの作業員が投入されます。塗装は「職人の腕」が仕上がりに直結する工事です。

つまり中間マージンとは、「お客様が品質向上のために払ったお金が、工事とは関係ない人たちに流れる仕組み」なのです。

地元の優良塗装店を見極める7つのポイント

「地元の塗装店に直接頼めば安い」とわかっても、問題は「どの店が優良店なのか?」ということ。以下の7つのポイントをチェックすれば、信頼できる塗装店を見極められます。

① 自社足場を持っているか

足場の設置は外壁塗装の必須工程ですが、多くの塗装店は足場を外注しています。自社で足場を所有・設置できる塗装店は、足場代(15〜25万円)の外注マージンがかからないだけでなく、工事全体の管理力が高い証拠です。

自社足場のメリットについて詳しくは「自社足場のメリット」で解説しています。

② 職人が社員か外注か

自社雇用の職人がいる塗装店は、品質管理が行き届いています。外注の場合、現場ごとに異なる職人が来るため、施工品質にばらつきが出やすくなります。

「御社の職人さんは社員ですか?」と聞くだけで、かなりの情報が得られます。

③ 施工事例に写真+工程が載っているか

ホームページやSNSに施工事例を掲載している業者は多いですが、チェックすべきは「ビフォーアフターの写真」だけでなく、「各工程の写真」が掲載されているかどうかです。

  • 下地処理の様子が写真で確認できるか
  • 3回塗りの各工程が記録されているか
  • 使用した塗料の商品名が明記されているか

④ 見積書に「人工」「㎡単価」が明記されているか

「外壁塗装一式 80万円」のような見積書は要注意です。優良な塗装店の見積書には以下が明記されています。

  • 塗装面積(㎡)と㎡単価
  • 使用塗料の商品名・メーカー
  • 工程ごとの人工(にんく)数
  • 足場・養生・洗浄の内訳

見積書の読み方は「外壁塗装の原価完全公開」で詳しく解説しています。

⑤ 代表者の経歴・資格が公開されているか

塗装技能士(国家資格)、建設業許可、一級建築施工管理技士など、資格の有無は技術力の一つの目安です。また、代表者自身が職人出身かどうかも重要なポイントです。

営業出身の社長が経営する会社と、職人出身の社長が経営する会社では、品質へのこだわりが根本的に異なります。

⑥ Googleクチコミの「返信」を確認

Googleクチコミの星の数だけでなく、業者の「返信内容」を確認しましょう。

  • 低評価のクチコミにも丁寧に返信しているか
  • 返信内容が具体的で誠実か
  • 定型文のコピペではないか

クレームへの対応姿勢は、その業者の本質が現れる部分です。

⑦ 第三者保証(瑕疵保険)に加入しているか

自社保証だけでなく、第三者機関による瑕疵保険(リフォーム瑕疵保険など)に加入しているかどうかを確認しましょう。

自社保証は業者が廃業すれば消滅しますが、第三者保証は保険会社が保証するため、万が一の場合も安心です。

この7つのうち、5つ以上クリアしている塗装店であれば、信頼度はかなり高いと言えます。

人工(にんく)理論の視点

ハウスメーカー・量販店・地元店のマージン構造の違いは、そのまま「確保できる人工数の違い」に直結します。同じ100万円の工事で、HM経由なら約15人工、量販店経由なら約20人工、地元専門店への直接依頼なら約30人工。これは架空の数字ではなく、各経路のマージン率から逆算した実際の人工数です。「どこに頼むか」は「いくら払うか」以上に、工事品質を決定づけます。

人工理論の詳しい解説は「人工(にんく)理論 完全講義」をご覧ください。

まとめ:結局どこに頼むべき?

5つの業態を比較してきましたが、コストパフォーマンスと品質の両面で最もおすすめなのは「地元の優良塗装店への直接依頼」です。

業態別おすすめ度

  1. 地元塗装店(直接):◎ マージン0%、品質管理が直接行き届く
  2. 一括見積もりサイト:○ 相場把握に有効、ただし紹介料分は割高
  3. 家電量販店:△ ポイント目当てなら、ただし専門性に不安
  4. ハウスメーカー:△ 安心感はあるが、費用対効果は低い
  5. 訪問販売:✕ 基本的に避けるべき

最も大切なこと

最終的に重要なのは、「どの業態か」ではなく「どの職人が塗るか」です。

ハウスメーカー経由であっても、実際に塗るのは地元の塗装店の職人です。であれば、中間マージンを省いて直接その職人に依頼した方が、同じ予算でより高品質な工事が実現できます。

大切なのは、上記の7つのポイントで信頼できる塗装店を見極め、直接コミュニケーションを取ること。それが、外壁塗装で後悔しない最大の秘訣です。

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