この記事の監修者
ヨコイ塗装 代表 横井隆之
愛知県で50年続く塗装店の2代目。200件以上の施工実績を持ち、著書に『外壁塗装の不都合な真実』『塗装方程式』『外壁塗装 工程別チェックポイント21』(Kindle)がある。見積もり診断サービス「ペンキのミカタ」を運営し、全国の施主に中立的なアドバイスを提供している。
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外壁塗装の業者選び、何を基準にしていますか?
「技術力が高い業者を選びたい」と思うかもしれません。しかし、50年この業界にいて断言できることがあります。
技術力より、職人の「やる気」が品質を左右する。
なぜなら、塗装職人の技術レベルは、実はそこまで大きな差がありません。基本的な技術は数年で身につきます。
差が出るのは、その技術を丁寧に発揮するかどうか。つまり「やる気」です。
この記事では、私が著書『塗装方程式』で提唱する考え方をベースに、やる気のある職人・業者を見極める10の質問を紹介します。
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塗装方程式とは
私は塗装の品質を決める要素を、次の式で表しています。
品質 = モチベーション × 技術 × 時間
各要素の意味
| 要素 | 意味 |
|---|---|
| モチベーション | 職人のやる気、仕事への姿勢 |
| 技術 | 塗装の知識・経験・腕前 |
| 時間 | 工事に割ける日数・人工 |
この式で重要なのは「掛け算」であること。
技術が100点でも、モチベーションが0なら、品質は0になります。逆に、技術が80点でもモチベーションが高ければ、丁寧な仕事で品質はカバーできます。
なぜモチベーションが最重要か
塗装は「見えなくなる仕事」が多い。
- 高圧洗浄でどこまで汚れを落としたか
- ケレンをどこまで丁寧にやったか
- 乾燥時間を本当に守ったか
これらは完成後に確認できません。「誰も見てないから適当でいいや」と思う職人と、「誰も見てなくても丁寧にやる」と思う職人では、仕上がりに天と地の差が出ます。
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やる気のある職人の特徴
やる気が高い職人のサイン
- 質問に対して具体的に答える
- 工程や材料について詳しく説明できる
- 現場の状況を見て柔軟に対応する
- 写真記録を自主的に残す
- 施主の不安に寄り添う姿勢がある
やる気が低い職人のサイン
- 質問に対して曖昧に答える、面倒くさそう
- 「大丈夫です」「問題ありません」で済ませる
- 工期短縮ばかり気にする
- 細かい説明を嫌がる
- 施主の要望を聞き流す
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やる気のある職人を見極める10の質問
以下の質問を見積もり時や契約前にしてみてください。業者の対応で、やる気のレベルがわかります。
質問1:「御社の職人さんは社員ですか?外注ですか?」
狙い:施工体制の確認
良い回答:
「自社の職人が施工します」「○○年勤続の職人が担当します」
注意すべき回答:
「その時によります」「協力会社に依頼します」
自社職人は会社の評判に直結するため、責任感を持って施工します。外注の場合、品質管理が難しくなります。
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質問2:「実際に施工する職人さんと事前に会えますか?」
狙い:職人のコミュニケーション力確認
良い回答:
「契約後に紹介します」「着工前に挨拶に伺います」
注意すべき回答:
「営業と職人は別なので…」「当日まで誰になるかわかりません」
施主と職人が顔を合わせる機会を設ける業者は、コミュニケーションを重視している証拠です。
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質問3:「工事中の写真は撮ってもらえますか?」
狙い:見えない工程の記録姿勢
良い回答:
「毎工程撮影してお渡しします」「LINEで随時報告します」
注意すべき回答:
「特にやっていません」「完了後にまとめてお見せします」
下地処理や中塗りなど、完了後に見えなくなる工程の写真を残す業者は、手抜きをしない証拠です。
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質問4:「この塗料を選んだ理由を教えてください」
狙い:提案力と知識レベルの確認
良い回答:
「お宅の外壁はサイディングで○○の状態なので、この塗料が最適です」
注意すべき回答:
「うちはいつもこれを使っています」「人気の塗料です」
外壁の状態や環境に合わせて塗料を選んでいる業者は、知識と責任感があります。
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質問5:「中塗りと上塗りの色を変えてもらえますか?」
狙い:手抜き防止への協力姿勢
良い回答:
「可能です、追加費用は○○円です」「ご希望があれば対応します」
注意すべき回答:
「そこまでする必要はありません」「うちはきちんとやるので大丈夫です」
この質問に前向きに対応する業者は、施主の不安に寄り添う姿勢があります。
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質問6:「工程表を事前にもらえますか?」
狙い:計画性と時間管理の確認
良い回答:
「契約後にお渡しします」「天候による変更はありますが、基本の工程表を作成します」
注意すべき回答:
「天気次第なので…」「だいたい○日で終わります」
工程表を作成する業者は、各工程に適切な時間を確保している証拠です。
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質問7:「下地処理には何日かけますか?」
狙い:下地処理の重要性を理解しているか
良い回答:
「高圧洗浄に1日、下塗りに1日、計○日は確保します」
注意すべき回答:
「状況によります」「塗装に入る前に終わらせます」
下地処理の日数を具体的に答えられる業者は、品質を重視しています。
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質問8:「保証内容と保証書はどうなりますか?」
狙い:アフターサービスへの姿勢
良い回答:
「○年保証です。保証書を発行し、保証内容を書面でお渡しします」
注意すべき回答:
「何かあったら言ってください」「口約束ですが対応します」
書面で保証を出す業者は、自社の施工に自信がある証拠です。
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質問9:「過去の施工事例を見せてもらえますか?」
狙い:実績と仕上がりの確認
良い回答:
「ホームページにあります」「近くの現場をご案内できます」
注意すべき回答:
「特にまとめていません」「お客様のプライバシーがあるので…」
施工事例を見せられる業者は、自社の仕事に自信があります。
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質問10:「近所への挨拶はしてもらえますか?」
狙い:マナーと責任感の確認
良い回答:
「着工前に両隣と向かいのお宅にはご挨拶します」
注意すべき回答:
「お客様にお任せします」「特にしていません」
近隣挨拶をする業者は、施主の立場に立った対応ができる証拠です。
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質問への反応も重要
10の質問の「答え」だけでなく、質問したときの反応も観察してください。
良い反応:
- 真剣に聞いてくれる
- 質問の意図を理解して答える
- わからないことは「確認します」と言う
注意すべき反応:
- 面倒くさそうな態度
- 質問をはぐらかす
- 「そこまで気にしなくても大丈夫です」と言う
施主の質問に丁寧に答える業者は、工事中も丁寧に対応してくれます。
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人工(にんく)理論の視点
10の質問に加えて、もう1つ決定的な質問があります。「この工事は全部で何人工見ていますか?」。塗装方程式(品質=モチベーション×技術×時間)の「時間」を数値化したのが人工です。30坪の住宅なら延べ25人工が目安。この質問に即答できる業者は、工程を自分で管理している証拠です。逆に答えられない業者は、下請けに丸投げしている可能性が高い。人工数を聞くことは、モチベーション・技術・時間の3要素すべてを一度に確認できる、最も効率的な業者チェック法です。
人工理論の詳しい解説は「人工(にんく)理論 完全講義」をご覧ください。
まとめ
やる気のある職人・業者を見極める10の質問を紹介しました。
- 職人は社員か外注か
- 施工する職人と事前に会えるか
- 工事中の写真は撮ってもらえるか
- 塗料を選んだ理由を説明できるか
- 中塗りと上塗りの色を変えてもらえるか
- 工程表を事前にもらえるか
- 下地処理には何日かけるか
- 保証内容と保証書はどうなるか
- 過去の施工事例を見せてもらえるか
- 近所への挨拶はしてもらえるか
塗装方程式:品質 = モチベーション × 技術 × 時間
価格だけでなく、職人のやる気を見極めて業者を選んでください。
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関連リンク
- 人工(にんく)理論 完全講義|原価から適正品質を見極める →
- 外壁塗装の手抜き工事|27の手口と防止術 →
- 塗装工程の手抜き5パターン →
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- 見積もり診断サービス(セカンドオピニオン)はこちら →
- Kindle本『外壁塗装 工程別チェックポイント21』はこちら →
塗装方程式シリーズ
→ 塗装方程式の実践ガイド|「時間」は見積もりで、「モチベーション」は現場で見極める
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