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品質=やる気×技術×時間とは?50年の職人がたどり着いた判断軸

この記事は「外壁塗装の人工(ニンク)とは?工期と品質を見抜く完全ガイド」の詳細記事です。人工理論の全体像を知りたい方は、まず完全ガイドをご覧ください。

「外壁塗装の品質って、結局何で決まるんですか?」

見積もり診断をしていると、施主の方からよくこの質問を受けます。塗料のグレード?業者の知名度?職人の腕?——答えはどれも「部分的に正しい」のですが、それだけでは不十分です。

50年の現場経験から辿り着いた結論は、たった1つの公式に集約されます。

なぜ「品質」は公式で表せるのか

Q = Motivation × Technique × Time(品質 = やる気 × 技術 × 時間)

50年間、500件を超える外壁塗装の現場を見てきました。成功した工事と失敗した工事、丁寧な施工と手抜き施工。その差を生み出す要因を突き詰めると、最終的にこの3つの変数に収束しました。

なぜ「足し算」ではなく「掛け算」なのか

足し算であれば、1つの要素が弱くても他でカバーできます。しかし現実はそうなりません。

・やる気のない職人が最高の技術を持っていても、手を抜けば品質は下がる

・やる気と技術が十分でも、時間が足りなければ丁寧な仕事はできない

・時間が十分でも、技術がなければ意味がない

どれか1つがゼロに近づけば、品質全体がゼロに近づく。これが掛け算の意味です。

3つの変数を見積書から読み取る方法

「やる気も技術も目に見えないのでは?」と思われるかもしれません。確かに直接測ることは難しい。しかし、間接的な指標から推測することは可能です。

Motivation(やる気)の間接指標

やる気は、待遇と環境に大きく左右されます。以下の点を確認してください。

①職人の日当は相場(18,000〜25,000円)を大幅に下回っていないか

見積もり総額から人件費を逆算し、工事日数で割れば、職人1人あたりの日当が推定できます。日当が15,000円以下だと、モチベーションの維持は構造的に難しくなります。

②下請け構造が深すぎないか

元請け→1次下請け→2次下請け……と中間マージンが増えるほど、現場に届く金額は減ります。「自社施工」を謳う業者は、この点で有利です。

Technique(技術)の間接指標

①一級塗装技能士の資格

国家資格である一級塗装技能士は、実技試験を伴う資格です。保有者が施工に関わるかどうかを確認してください。

②施工事例の質

ウェブサイトやパンフレットに掲載されている施工事例の写真を見てください。下地処理の写真、養生の写真が載っている業者は、工程を大切にしている証拠です。仕上がりの写真しかない場合は、途中工程を見せたくない可能性があります。

Time(時間)の指標——唯一数値化できる変数

3つの変数のうち、Time(時間)だけは「人工数」として数値化できます。

計算方法はシンプルです。

見積もり総額 × 0.35 ÷ 2万円 = 延べ人工数

30坪の標準的な外壁塗装なら、延べ25人工が適正ライン。この数字を基準に、見積書の妥当性を判断できます。

人工数の詳しい計算方法と工程別の内訳は「人工(ニンク)完全ガイド」で解説しています。

品質公式が予測する「3年後の剥がれ」

品質公式を使うと、「安い見積もり→品質崩壊」のメカニズムを構造的に説明できます。

Step 1:安い見積もり = Time の圧縮

100万円が適正な工事を70万円で受注する。30万円のコストカットは、人件費(=Time)の削減で実現される。

Step 2:Time の圧縮 = Motivation の毀損

安い受注→職人の日当カット→「早く終わらせろ」のプレッシャー。Motivationが低下する。

Step 3:掛け算で品質が崩壊

Q = M(低) × T(元のまま) × Time(低) → Qが大幅に低下。

仕上がり直後は区別がつきません。差が出るのは2〜3年後。乾燥不足による塗膜の膨れ、チョーキング(粉化)、剥離が始まります。保証期間を過ぎた頃に問題が表面化するケースが非常に多いのです。

品質公式を使った業者比較の実例

3つの見積もりを品質公式で評価してみましょう。

業者A業者B業者C
見積もり金額80万円130万円100万円(ポータル経由)
Time(人工数)14人工 🔴23人工 ⚠️〜✅15人工 🔴(紹介料15%控除後)
Technique不明(資格記載なし)一級塗装技能士あり不明
Motivation日当低い→低リスク自社施工→高下請け構造→不明
品質予測Q = 低Q = 高Q = 低〜中

金額だけで見れば業者Aが最安ですが、品質公式で評価すると業者Bが最も信頼できます。業者Cは施主が100万円支払っても、紹介料分だけ品質が目減りする構造です。

見積書の具体的なチェック方法は「見積書チェック完全ガイド」で20項目のチェックリストとして整理しています。

まとめ——品質は「見えないもの」ではなく「計算できるもの」

Q = Motivation × Technique × Time。この公式を知ったあなたは、もう「品質は運次第」とは思わないはずです。

3つの変数のうち、Time(時間)は人工数として数値化でき、見積書から逆算できます。MotivationとTechniqueも、間接指標で推測できます。

品質は「見えないもの」ではなく「計算できるもの」。この視点が、外壁塗装で後悔しないための最大の武器です。

まずは人工シートを無料ダウンロードして、手元の見積もりを計算してみてください。

人工数の計算方法と工程別テーブルは「人工(ニンク)完全ガイド」をご覧ください。

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