「ケレン作業」という言葉、見積書で見かけたことはありませんか?
実はこのケレン作業、塗装品質を左右する最重要工程でありながら、最も手抜きされやすい工程でもあります。
塗ってしまえば見えなくなる——だからこそ、契約前の確認が重要です。
ケレン作業とは?
ケレンとは、塗装前に行う下地処理のことです。
具体的には以下の作業を指します。
- サビ落とし(金属部分)
- 旧塗膜の剥がし
- 表面の目荒らし(細かい傷をつけて塗料の密着を高める)
なぜケレンが重要なのか
「いい仕上がりかどうかは、塗料のグレードではなくケレンするかしないかにかかっている」
これは50年以上塗装業に携わってきたベテラン職人の言葉です。
どれだけ高い塗料を使っても、下地処理が不十分なら数年で剥がれます。逆に、ケレンをしっかり行えば、標準的な塗料でも長持ちします。
ケレンの種類(3種・4種)
住宅塗装で使われるケレンは主に2種類です。
- 3種ケレン:電動工具(ディスクサンダー等)を使用。サビがひどい部分、劣化が激しい金属部に適用
- 4種ケレン:手作業(サンドペーパー等)。劣化が軽微な部分に使用(住宅塗装の標準)
目荒らしとは?
塩ビ製の雨樋やアルミ製の雨戸など、表面がツルツルした素材には「目荒らし」が必須です。
あえて表面に細かい傷をつけることで、塗料が「食いつく」足がかりを作ります。これを「アンカー効果」と呼びます。
目荒らしを省略すると、1〜2年で塗膜がシート状に剥がれることもあります。
ケレンが必要な箇所
ケレン作業は、主に以下の「付帯部」で行います。
- 軒裏(軒天)
- 雨樋
- 破風・鼻隠し
- シャッターボックス・シャッター
- 雨戸
- 水切り
- 換気扇フード
- 庇(ひさし)
これらは外壁より早く劣化が進むため、特に丁寧なケレンが必要です。
見積書でのケレン確認ポイント
「ケレン一式」は要注意
見積書に「下地処理(ケレン含む)一式 30,000円」とあったら要注意です。30坪の住宅を真面目にケレンすれば、職人1〜2人工は必要です。「一式」で安価な場合、目荒らしすら省略される可能性があります。
確認すべき記載内容
良い見積書には以下が明記されています:
- ケレン:「4種ケレン」「3種ケレン」と明記(悪い例:「ケレン一式」または記載なし)
- 高圧洗浄:ケレンと別工程で記載(悪い例:ケレンと混同)
- 人工:何人工か明記(悪い例:記載なし)
業者に聞くべき質問
「ケレンはだいたい何人工ぐらいですか?」
この質問に具体的に答えられる業者は、工程を理解している証拠です。
契約書でケレンを指定する方法
見積書の確認だけでなく、契約書にも明記してもらうと安心です。
契約書に入れてもらいたい文言(例)
・金属部:3種ケレン(電動工具によるサビ落とし) ・塩ビ部:4種ケレン(サンドペーパーによる目荒らし) ・ケレン後、高圧洗浄にて削りカスを除去
写真記録の依頼
ケレンは塗装後に見えなくなる工程です。作業前・作業後の写真を撮って共有してもらうよう依頼しましょう。
良心的な業者であれば、むしろ喜んで対応してくれます。
ケレンの手抜きを見抜く3つのサイン
1. ケレン作業が半日〜1日で終わっている
30坪の住宅なら、1日以上かかるのが普通です。
2. 高圧洗浄の翌日にすぐ塗装が始まっている
ケレン作業をしていない可能性があります。
3. 金属部分にサビが残ったまま塗装されている
サビの上から塗っても、数ヶ月でサビ汁が流れ出します。
まとめ:ケレンは塗装の「土台」
ケレン作業は地味で目立たない工程ですが、塗装の耐久性を決める「土台」です。
本物の職人は「塗るまでが勝負」と意識しています。
✓契約前の確認ポイント
- 見積書に「ケレン」が明記されているか
- 何種ケレンか、何人工か確認
- 写真記録を依頼する
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