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工事日報を見せてもらう方法|記録がない業者は危険

外壁塗装の工事日報を見せてもらう方法を解説。日報で確認すべき5つのポイント、記録がない業者が危険な理由、依頼のタイミングと伝え方まで。人工と作業内容をチェックして品質を確認。

「今日はどんな作業をしたんだろう?」

「職人さんは何時間くらい働いてくれたのかな?」

外壁塗装の工事中、こんな疑問を持ったことはありませんか?

その答えが書かれているのが「工事日報」です。

工事日報は、業者が毎日の作業内容を記録する書類。本来、すべての現場で作成されるべきものですが、実際には日報を付けていない業者も少なくありません。

この記事では、工事日報の重要性と、施主が日報を見せてもらう方法を解説します。

この記事で分かること

  • 工事日報とは何か
  • なぜ工事日報が重要なのか
  • 記録がない業者が危険な理由
  • 工事日報を見せてもらう方法とタイミング
  • 日報で確認すべき5つのポイント

工事日報とは?

基本的な定義

工事日報とは、現場での作業内容を日ごとに記録する書類です。

建設業界では「作業日報」「現場日報」とも呼ばれ、工事の進捗や品質を管理するための基本的な記録です。

工事日報に記載される内容

一般的な工事日報には、以下の内容が記載されます。

基本情報:

  • 日付、天候、気温
  • 現場名、住所
  • 作業責任者名

作業内容:

  • 本日の作業内容
  • 使用した材料・塗料
  • 作業した箇所・面積
  • 作業時間(開始・終了)

人員情報:

  • 作業した職人の人数
  • 各職人の作業時間
  • 延べ作業時間(人工)

その他:

  • 特記事項・申し送り
  • 写真(添付する場合)
  • 明日の予定

誰が作成するのか

工事日報は、現場の責任者(親方・現場監督)が作成します。

毎日の作業終了時に記入し、会社に報告するのが一般的です。デジタル化が進んでいる会社では、スマホアプリで入力することもあります。

なぜ工事日報が重要なのか

理由1:作業の「証拠」になる

工事日報は、何月何日に、誰が、何をしたかを記録した証拠です。

「3回塗りをちゃんとやりました」「乾燥時間は十分に取りました」

口頭での説明は後から確認できませんが、日報に記録されていれば、客観的な証拠になります。

理由2:「人工」が分かる

私たちは「塗装方程式」として、品質 = モチベーション × 技術 × 時間と考えています。

この「時間」を数値化したものが「人工(にんく)」です。

人工とは:

  • 1人の職人が1日(8時間)作業すると「1人工」
  • 2人で3日間作業すれば「6人工」

工事日報を見れば、実際に何人工かけて作業したかが分かります。見積書の人工と比較することで、十分な時間をかけて作業しているかを確認できます。

理由3:工程の遅れを把握できる

日報には「本日の作業内容」と「明日の予定」が記載されています。

工程表と照らし合わせることで、予定通り進んでいるか、遅れが発生しているかを把握できます。遅れに早く気づけば、対策も早く打てます。

理由4:トラブル時の交渉材料になる

工事後に不具合が発生した場合、日報が重要な交渉材料になります。

「○月○日の日報を見ると、乾燥時間が2時間しか取られていません」

「この日は雨だったのに、塗装作業をしていますね」

記録があれば、施主の主張を裏付けることができます。

記録がない業者が危険な理由

理由1:管理体制が甘い

工事日報を付けていない業者は、現場管理の意識が低い可能性があります。

日報は、会社が現場を管理するための基本ツールです。これがないということは、「現場任せ」で品質管理ができていないことを意味します。

理由2:何かあっても確認できない

記録がなければ、後から確認する手段がありません。

「本当に3回塗りしたのか」「乾燥時間は守られたのか」「何人工かけたのか」

すべてが「業者の言い分」だけになり、施主は確認のしようがありません。

理由3:トラブル時に不利になる

工事後に問題が発生しても、記録がなければ業者に責任を追及できません。

「その日は確かに作業しました」「乾燥時間は十分取りました」

こう言われたら、反論する材料がないのです。

理由4:下請けの管理ができていない

元請け会社が日報を管理していない場合、下請けの作業を把握できていないことを意味します。

下請けが手抜きをしても気づかない。これでは品質を保証できるはずがありません。

工事日報を見せてもらう方法

方法1:契約時に依頼する(ベスト)

最も確実なのは、契約時に「工事日報を見せてください」と伝えておくことです。

契約時の伝え方:

「工事の記録として、日報を見せていただくことは可能ですか?工程の進捗を把握しておきたいので」

契約前に伝えておけば、業者も準備ができます。「日報は出せません」という業者は、その時点で契約を見直す判断材料にもなります。

方法2:工事中に定期的に依頼する

契約時に伝えていなくても、工事中に依頼することは可能です。

工事中の伝え方:

「お忙しいところ恐れ入ります。今週の作業内容を確認したいのですが、日報を見せていただけますか?」

毎日見せてもらうのは業者の負担になるので、週に1回程度が現実的です。

方法3:完了時にまとめて依頼する

工事完了時に、全期間の日報をまとめて見せてもらう方法もあります。

完了時の伝え方:

「工事の記録として保管しておきたいので、全期間の日報のコピーをいただけますか?」

ただし、完了後に初めて見ても、問題があった場合の対応が難しくなります。できれば工事中に確認するのがおすすめです。

方法4:写真付きで依頼する

日報だけでなく、写真付きの報告を依頼する方法もあります。

依頼の仕方:

「日報と一緒に、その日の作業写真も送っていただけますか?LINEで構いません」

写真があれば、日報の内容と照らし合わせて確認できます。

業者の反応で信頼度が分かる

信頼できる業者の反応

日報の開示を依頼したとき、信頼できる業者は快く応じてくれます。

良い反応の例:

  • 「もちろんです。毎週お送りしましょうか?」
  • 「日報はデジタルで管理しているので、アプリで共有できますよ」
  • 「写真も一緒にお送りしますね」

このような業者は、普段から記録を付けている証拠です。

要注意な業者の反応

逆に、以下のような反応をする業者は注意が必要です。

要注意な反応の例:

  • 「日報は社内資料なのでお見せできません」
  • 「そこまで細かく管理していないんです」
  • 「職人に任せているので、会社では把握していません」

日報を見せることを渋る業者は、記録がないか、見せたくない理由がある可能性があります。

日報で確認すべき5つのポイント

ポイント1:作業日数と人工

確認すること:

  • 何日間作業したか
  • 1日あたり何人で作業したか
  • 延べ何人工かかったか

チェック方法:

見積書に記載された人工(または想定される人工)と比較します。30坪の住宅で外壁塗装なら、15〜20人工が目安。極端に少なければ、作業時間が不足している可能性があります。

ポイント2:作業内容と工程

確認すること:

  • 各日の作業内容
  • 工程表との整合性
  • 作業の順番

チェック方法:

工程表と日報を照らし合わせます。「下塗り→中塗り→上塗り」の順番が守られているか、各工程に十分な日数が割かれているかを確認します。

ポイント3:天候と作業の関係

確認すること:

  • 雨の日に塗装作業をしていないか
  • 気温5℃以下の日に塗装していないか
  • 湿度85%以上の日に塗装していないか

チェック方法:

日報の天候欄と作業内容を照らし合わせます。雨天や低温時に塗装作業が記録されていれば、品質に問題がある可能性があります。

ポイント4:乾燥時間の確保

確認すること:

  • 下塗りと中塗りの間隔
  • 中塗りと上塗りの間隔
  • 高圧洗浄後の乾燥日数

チェック方法:

塗料メーカーが指定する乾燥時間と比較します。一般的には下塗り後4時間以上、中塗り後4時間以上の乾燥時間が必要です。同じ日に下塗り・中塗り・上塗りが完了していれば、乾燥時間が不足しています。

ポイント5:使用材料の記録

確認すること:

  • 使用した塗料の品名
  • 使用量(缶数)
  • 希釈率

チェック方法:

見積書に記載された塗料と一致しているか確認します。日報に塗料名や缶数が記録されていれば、空き缶の確認と合わせて、適正量が使われたか確認できます。

日報がない場合の代替手段

写真記録を依頼する

日報がない業者でも、写真記録は依頼できます。

「毎日の作業終了時に、作業した箇所の写真をLINEで送ってください」

写真があれば、どの工程がいつ完了したかを把握できます。

自分で記録を残す

業者に頼れない場合は、施主自身で記録を残す方法もあります。

  • 毎日、作業している職人の人数を確認
  • 作業開始時間と終了時間をメモ
  • 可能であれば作業内容を聞いてメモ

簡単な記録でも、ないよりはずっと良いです。

施工管理アプリを活用する

施工管理アプリを導入すれば、工程の進捗がアプリ上で自動的に記録されます。

  • カンバンボードで工程を管理
  • 写真記録がクラウドに保存
  • LINE通知で進捗を把握

業者に日報を依頼するより、アプリで一元管理する方が確実です。

よくある質問(FAQ)

Q. 日報を見せてもらうのは失礼ではないですか?

A. 失礼ではありません。100万円以上の工事で、作業記録を確認するのは施主の正当な権利です。まともな業者は「確認してくれる施主の方が安心」と考えています。

Q. 日報は法律で義務付けられていますか?

A. 建設業法では、一定規模以上の工事で施工体制台帳の作成が義務付けられていますが、日報自体の法的義務はありません。ただし、品質管理の観点から、多くの業者が自主的に作成しています。

Q. 日報を見せてもらえない場合、どうすればいいですか?

A. 写真記録の提供を依頼するか、施主自身で記録を残しましょう。それでも協力が得られない場合は、業者の姿勢を見直す材料にしてください。

Q. デジタルの日報と紙の日報、どちらが信頼できますか?

A. デジタル日報の方が改ざんが難しく、タイムスタンプも自動記録されるため、証拠としての信頼性は高いです。紙の日報でも、日付入りの写真と組み合わせれば信頼性は高まります。

Q. 日報の人工と見積書の人工が違う場合、どうすればいいですか?

A. まずは業者に理由を確認しましょう。「現場の状況で変わることがある」のは事実ですが、大幅に少ない場合は作業時間の不足を意味します。納得できる説明がなければ、追加作業や減額を求めることができます。

まとめ:日報は「工事の履歴書」

工事日報は、外壁塗装工事の「履歴書」です。

誰が、いつ、何をしたかがすべて記録されています。この記録があるかないかで、施主の安心感は大きく変わります。

工事日報で確認すべき5つのポイント:

  1. 作業日数と人工:十分な時間をかけているか
  2. 作業内容と工程:工程表通りに進んでいるか
  3. 天候と作業の関係:不適切な条件で塗装していないか
  4. 乾燥時間の確保:規定の時間を守っているか
  5. 使用材料の記録:見積書の塗料が使われているか

日報を見せてもらうタイミング:

  • ベストは契約時に依頼
  • 工事中は週1回程度
  • 完了時にまとめて保管用に

記録がない業者は、管理体制に不安があります。契約前に「日報を見せてもらえますか?」と聞いてみてください。その反応で、業者の信頼度が分かります。

施工管理アプリで日報を自動化

施工管理アプリを使えば、工程の進捗が自動で記録されます。

カンバンボードで21工程を管理、LINE通知で進捗を把握、写真記録をクラウドに保存。業者に日報を依頼するより、アプリで一元管理する方が確実です。

→ 施工管理アプリの詳細はこちら

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この記事は、塗装業50年の経験を持つ職人監修のもと作成されています。

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