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みらいエコ住宅2026で外壁塗装は補助対象?|「窓工事必須化」で変わった補助金の使い方

みらいエコ住宅2026事業で外壁塗装は補助対象外。しかし窓工事必須化を逆手に取り、足場共有で窓リノベ+断熱改修と組み合わせれば最大200万円の補助金活用が可能。2026年の制度変更点と現実的なパッケージ戦略を塗装歴50年のプロが解説。

著者: 横井隆之

## この記事の監修者

ヨコイ塗装 代表 横井隆之

愛知県で50年続く塗装店の2代目。500件以上の施工実績を持ち、著書に『外壁塗装の不都合な真実』『塗装方程式』『外壁塗装 工程別チェックポイント21』(Kindle)がある。見積もり診断サービス「ペンキのミカタ」を運営し、全国の施主に中立的なアドバイスを提供している。

はじめに

結論から言います。みらいエコ住宅2026事業で、外壁塗装単独の補助金は0円です。 しかし「足場の共有」という発想の転換で、塗装費用を実質的に大幅に取り戻す方法があります。

2026年2月4日、住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトが公開されました。前年度の「子育てグリーン住宅支援事業」から名称が変わっただけでなく、必須工事のルールが根本から変わっています

最大の変更点は「窓工事の必須化」。2025年までは窓工事なしでも申請できましたが、2026年からはどの組み合わせパターンでも窓の断熱改修が必須になりました。

「塗装のついでに補助金をもらおう」と考えている方は、この記事を読んでから業者と話し合ってください。知らないまま契約すると、使えるはずの補助金を丸ごと逃すことになります。

みらいエコ住宅2026事業とは?|制度の基本を30秒で理解する

みらいエコ住宅2026事業(通称:Me住宅2026)は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携で実施される住宅省エネ補助金です。2025年の「子育てグリーン住宅支援事業」の後継にあたります。

項目内容
リフォーム予算300億円(国土交通省分)
補助上限最大100万円/戸
申請下限合計5万円以上
着工期限2025年11月28日以降
完了期限2026年12月31日まで
申請者登録事業者による代理申請のみ

ここまでは前年度と大きく変わりません。問題は必須工事のルールです。

なぜ2026年は「窓工事」が必須になったのか?

2025年と2026年の決定的な違い

比較項目2025年(子育てグリーン)2026年(みらいエコ住宅)
必須工事の数3種のうち「2つ以上」3種の「規定の組み合わせ」
窓工事の扱い窓なしでも他の2種でOK全組み合わせで窓が必須
窓性能基準A/B/S/PグレードA/S/Pのみ(B以下は対象外)
新規追加なしエアコン・換気設備が対象に
判定基準工事項目数ベースリフォーム前後の性能向上ベース

2025年度は「外壁断熱+エコ住宅設備」の2つがあれば窓工事なしで申請できました。2026年からはこのパターンが使えません

3つの必須工事カテゴリー

補助金を受けるには、以下の3カテゴリーから「規定の組み合わせ」を実施する必要があります。

カテゴリー①:開口部の断熱改修(窓・ドアの断熱化)

カテゴリー②:躯体の断熱改修(外壁・屋根・天井・床の断熱材施工)

カテゴリー③:エコ住宅設備の設置(高効率給湯器・節水トイレ・高断熱浴槽・エアコン・換気設備等)

どの組み合わせパターンでも「カテゴリー①:窓」が含まれています。これは、住宅の熱損失の最大要因が開口部(冬は約6割、夏は約7割)であるという物理的事実に基づく政策判断です。

国は「設備だけ新しくする部分的な省エネ」ではなく、建物の外皮全体を改善する「パッケージ型の省エネ」を求めているのです。

外壁塗装は補助対象になるのか?|正確な答え

塗装そのものは対象外

みらいエコ住宅2026事業は「省エネ性能の向上」が目的です。外壁塗装は建材の保護や美観維持が主目的の「維持管理・修繕」に分類されるため、補助金の対象外です。

カテゴリー②に規定されている「躯体の断熱改修」とは、断熱材の追加(外張断熱パネルの設置や内部への断熱材充填)を指します。塗料の塗布では断熱等性能等級を規定通りに引き上げることは認められていません。

遮熱塗装も必須工事にはならない

業界で人気の遮熱塗装(高日射反射率塗料)についても、必須工事としては認められません。JIS K 5602に基づく日射反射率基準を満たす製品であっても、補助金申請の「トリガー」にはなり得ないのです。

遮熱塗装は「省エネ効果を補完するもの」としての価値はありますが、それ単体で補助金を引き出すことはできません

人工理論で見る「補助金リフォーム」の落とし穴

ここで塗装のプロとして警告しておきたいことがあります。

「補助金が出るなら窓も断熱もやろう」と考えるのは正しい判断です。しかし、工事の規模が大きくなるほど「人工(にんく)」の管理が重要になります

人工とは、「職人1人が1日でできる仕事量」を表す建設業界の単位です。私が提唱する塗装方程式では、品質 = モチベーション × 技術 × 時間(人工)と定義しています。

窓リフォーム+断熱改修+設備交換+外壁塗装——これだけの工事を1社でまとめて受注する業者が、すべての工程に十分な人工を割り当てているか。ここが施主が見落としやすいポイントです。

特に注意すべきは「補助金込みでこの価格」と提案してくる業者。補助金で値引きしたように見せかけて、実は人工を削って利益を確保しているケースがあります。詳しくは助成金狙いの業者が「人工」を削る5つのサインで解説しています。

足場を共有する「省エネパッケージ」戦略

外壁塗装単独では補助金はゼロ。ではどうするか?

「塗装のついでに窓と設備を変える」のではなく、「窓+断熱+設備の省エネパッケージの中に、足場を共有して塗装を組み込む」——この発想の転換が2026年の正解です。

具体的なパッケージ構成

工程役割活用する補助事業
足場設置全工事の共通インフラ各事業の工事費に含まれる
窓の断熱改修必須工事①(最重要)先進的窓リノベ2026(最大100万円)
躯体の断熱改修必須工事②みらいエコ住宅2026(躯体枠)
エコ設備設置必須工事③給湯省エネ2026(最大17万円)
外壁塗装美観維持(自費)補助金全体の還元額で相殺

先進的窓リノベ2026との併用が鍵

窓リフォームに特化した「先進的窓リノベ2026事業」は、みらいエコ住宅2026との併用が可能です。

・窓リノベで申請した工事は、みらいエコ住宅の必須工事①としてカウントされる(読み替え制度)

・補助上限はそれぞれ別枠(窓リノベ100万円+みらいエコ100万円=理論上最大200万円)

・ただし同一箇所の工事を二重申請することはできない

注意点:2026年の窓リノベ事業は、2025年比で補助上限が200万円→100万円に半減し、補助単価も15〜37%程度減額されています。それでも「工事費の約50%相当」が還元される水準は維持されており、他の補助金と比較して極めて強力な制度です。

補助上限額は「築年数」で変わる

2026年制度のもう一つの特徴は、補助上限額が「住宅の既存性能」と「改修後の到達レベル」によって変動する点です。

改修前の住宅到達:平成28年基準相当到達:平成11年基準相当
平成3年以前の建築(平成4年基準を満たさない)上限100万円上限50万円
平成10年以前の建築(平成11年基準を満たさない)上限80万円上限40万円

つまり、築35年以上の古い住宅を最新の断熱基準まで引き上げると、最も手厚い補助が受けられる仕組みです。外壁塗装を検討するタイミング(築10〜20年)の住宅でも、元の建築年によっては上限80〜100万円の枠に入る可能性があります。

着工日の罠:2025年11月28日を1日でも前に着工したら対象外

特に注意が必要なのが着工期限です。

2025年11月28日以降に着工した工事のみが対象です。この日付は令和7年度補正予算案の閣議決定日であり、これより1日でも早く着工(根切り工事や資材の搬入・加工等)された工事は、契約日がそれ以降であっても補助対象外になります。

外壁塗装業者から「早く着工しましょう」と急かされても、補助金の活用を考えているなら着工日の管理は絶対に怠らないでください

まとめ:2026年の外壁塗装は「省エネ改修の仕上げ」

「みらいエコ住宅2026で外壁塗装は補助対象になるか?」への最終回答です。

塗装単独の補助金は0円(遮熱塗装を含む)

・2026年は窓工事が全パターンで必須(2025年から厳格化)

・「窓+断熱+設備」のパッケージに足場を共有して塗装を組み込むのが正解

・先進的窓リノベ2026との併用で理論上最大200万円の補助が可能

・築年数が古いほど補助上限が高い(最大100万円/戸)

・着工日は2025年11月28日以降が絶対条件

補助金を使って省エネ改修と外壁塗装を同時に進めるなら、工事全体の人工配分を見極められるプロの目が必要です。

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この記事の著者

横井隆之

横井隆之

ヨコイ塗装 代表 / 外壁塗装コンサルタント

業界経験 50著書 3

愛知県扶桑町でヨコイ塗装を経営。塗装業界50年以上の経験と500件を超える施工実績を持つ外壁塗装の専門家。施主の立場に立った公正なアドバイスを提供し、YouTube、ココナラ、MOSHなど複数のプラットフォームでセカンドオピニオンサービスを展開中。

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