「外壁塗装に助成金が使える」と聞いて調べたのに、条件が複雑でよく分からない。そんな声をよく聞きます。
外壁塗装に助成金は使えない!?2026年の真実と「セットで100万円」の正しい使い方
結論から言います。2026年現在、外壁塗装の単独工事に使える国の補助金は原則ありません。
ただし、窓リノベや断熱改修と「セット」にすることで最大100万円の補助が使えるケースがあります。また、自治体独自の助成金、住宅ローン減税など、正しく組み合わせれば費用を大幅に抑えられる制度が存在します。
この記事では、見積書を手元に置きながら「自分はどの制度が使えるか」を判断できるように、すべての制度を整理します。
📋 この記事はCVピラー「見積書チェック完全ガイド(20項目)」のステップ7を深掘りした記事です。
国の補助金制度:外壁塗装だけでは使えない理由
なぜ外壁塗装単独では補助が出ないのか
国の住宅リフォーム補助金は「省エネ性能の向上」が目的です。外壁塗装は外観の維持・保護が主な目的であり、断熱性能を大幅に向上させるものとは認められないため、単独では補助対象になりません。
ただし、断熱改修や窓リノベと同時に行う場合は、「省エネリフォーム全体」の一部として外壁塗装も対象に含まれることがあります。
みらいエコ住宅支援事業(2026年度)
子育てエコホーム支援事業の後継として位置づけられる制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 既存住宅の省エネリフォーム |
| 補助上限 | リフォーム1戸あたり最大100万円 |
| 外壁塗装の扱い | 断熱改修(壁・屋根の断熱材追加等)と組み合わせれば対象になる場合あり |
| 注意点 | 遮熱塗料・断熱塗料の塗装のみでは不可。断熱材の施工を伴う改修が条件 |
先進的窓リノベ2026事業
2026年度は予算1,125億円が計上されている大型事業です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 既存住宅の窓の断熱改修 |
| 補助上限 | 最大100万円/戸 |
| 外壁塗装との関係 | 窓リノベと同時に外壁の省エネ改修を行う場合、対象工事に含められる可能性あり |
| 申請 | 登録事業者を通じて申請。施主が直接申請することはできない |
重要:外壁塗装を予定しているなら、「窓の断熱改修も同時にやるか」を業者と相談してください。窓リノベと合わせることで、外壁塗装の費用の一部が補助対象に含まれるケースがあります。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 既存住宅の長寿命化・省エネ化リフォーム |
| 補助上限 | 最大250万円(長期優良住宅認定を取得する場合) |
| 外壁塗装の扱い | 劣化対策(外壁の性能維持)として認められる場合あり |
| ハードル | インスペクション(既存住宅状況調査)が必須。リフォーム計画の策定も必要 |
この制度は補助額が大きい反面、申請のハードルも高いです。大規模リフォーム(500万円以上)を計画している方は業者に確認する価値があります。
自治体の助成金:お住まいの地域を確認
全国の傾向
全国の自治体のうち、約35〜40%が外壁塗装に対する何らかの助成制度を設けています。
| 項目 | ボリュームゾーン |
|---|---|
| 補助率 | 工事費の10〜20% |
| 補助上限 | 10〜20万円 |
| 主な条件 | 市内業者への発注、築年数の条件、所得制限 |
| 申請時期 | 年度初め(4月)に受付開始が多い。先着順で予算上限に達し次第終了 |
自治体助成金の探し方
- お住まいの市区町村のホームページで「住宅リフォーム助成」「住宅改修補助」を検索
- 都道府県のリフォーム支援制度一覧(住宅金融支援機構のサイトにまとめあり)
- 地域の塗装業者に「助成金の実績はありますか?」と確認
注意点:
- 多くの自治体助成金は着工前の申請が必須です。工事が始まってからでは申請できません
- 予算枠は限られており、年度後半には受付終了していることが多いです
- 「市内業者への発注」が条件の場合、他市の業者では使えません
商圏中立の注意
自治体ごとに制度の有無や条件は大きく異なります。必ずご自身の自治体で最新情報を確認してください。
火災保険:「無料になる」は嘘
経年劣化には100%使えない
外壁塗装の検討者が最も誤解しやすい制度が火災保険です。
結論:経年劣化による外壁の傷みには、火災保険は100%適用されません。
火災保険が適用されるのは、台風・雹(ひょう)・雪・落雷などの自然災害による突発的な損傷に限られます。「チョーキングが出ている」「塗膜が剥がれてきた」「コーキングが劣化した」――これらはすべて経年劣化であり、保険の対象外です。
「火災保険で無料」申請代行トラブルが急増
「火災保険を使えば外壁塗装が無料(またはタダ同然)になります」と訪問してくる業者がいます。これは典型的なトラブルの入り口です。
よくある手口:
- 「無料で調査します」と訪問 → 経年劣化を「風災」と偽って保険申請
- 申請代行手数料として保険金の30〜50%を請求
- 保険会社に虚偽申請がバレると、施主が保険契約を解除されるリスク
- 工事のキャンセルを申し出ると高額な違約金を請求
被害に遭わないために:
- 「火災保険で無料」と言う業者は断る
- 保険申請は自分で行うか、保険会社に直接相談する
- 不安な場合は消費者ホットライン(188)に相談
訪問業者の手口をもっと知りたい方は → 見積書の危険信号15パターン
住宅ローン減税:工事費100万円超なら検討を
適用条件
外壁塗装が住宅ローン減税の対象になるケースがあります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 工事費 | 100万円超(税込) |
| 対象 | 大規模修繕・模様替え、または省エネ改修 |
| 減税額 | 年末ローン残高の0.7%を最大10年間所得税から控除 |
| 申請 | 確定申告が必要(初年度のみ) |
外壁塗装で適用されるケース
「大規模修繕」に該当するかがポイントです。外壁の過半を塗り替える工事は大規模修繕に該当する可能性があります。リフォームローンを利用して100万円超の外壁塗装を行う場合は、税理士または税務署に適用可否を確認してください。
人工理論で見ると:助成金より大切なこと
助成金や補助金で10〜20万円を節約できるのはありがたいことです。しかし、見積書自体が適正でなければ、節約した10万円以上の品質が失われます。
塗装方程式 Q = M × T × T(品質 = モチベーション × 技術 × 時間)でいえば、「助成金を使って安くすること」と「適正な人工(にんく)が確保された見積書であること」は、まったく別の問題です。
30坪の外壁塗装に必要な延べ人工は最低でも10〜14人工。この人工を確保できていない見積書は、助成金を使っても「安かろう悪かろう」の工事になります。
順番は「①見積書の適正さを確認 → ②使える助成金を調べる」であって、逆ではありません。
人工理論で見積書の適正さを判断する方法 → 人工理論の全体像を詳しく学ぶ
資金計画タイムライン:6ヶ月前から準備を
外壁塗装の資金計画は、工事の6ヶ月前から始めるのが理想です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 6ヶ月前 | 自治体の助成金制度を確認。年度切り替え(4月)前なら翌年度の制度を待つ選択肢も |
| 4〜5ヶ月前 | 複数業者から見積もりを取る。助成金の「着工前申請」条件を業者に確認 |
| 3ヶ月前 | 見積書の内容を精査。窓リノベ等との組み合わせで国の補助金が使えないか検討 |
| 2ヶ月前 | 助成金の申請(着工前申請が必要な場合)。リフォームローンの事前審査 |
| 1ヶ月前 | 契約。助成金の採択通知を確認してから契約するのがベスト |
最大のミス:「工事が終わってから助成金を調べる」
多くの自治体助成金は着工前申請が条件です。工事完了後では一切申請できません。
制度別・見積書との照合チェックリスト
見積書を手元に置いて、以下を確認してください。
国の補助金
- □ 窓の断熱改修を同時に行う予定はあるか → 先進的窓リノベ2026が使える可能性
- □ 壁の断熱材追加を含むリフォームか → みらいエコ住宅の対象になる可能性
- □ 大規模リフォーム(500万円以上)か → 長期優良住宅化の検討価値あり
- □ 業者は補助金申請の登録事業者か
自治体助成金
- □ 自分の自治体に外壁塗装助成制度があるか確認したか
- □ 申請は着工前に行う必要があるか
- □ 「市内業者への発注」が条件の場合、業者は条件を満たしているか
- □ 予算枠はまだ残っているか
火災保険
- □ 外壁の傷みは自然災害によるものか、経年劣化か
- □ 「火災保険で無料」と言う業者に乗せられていないか
- □ 保険申請は自分で行う or 保険会社に直接相談しているか
住宅ローン減税
- □ 工事費は100万円超か
- □ リフォームローンを利用する予定か
- □ 確定申告の準備はできているか
助成金を調べる前に、まずその見積書が適正か確認を。
見積書の写真をアップロードするだけ。AIが項目の過不足と価格の妥当性を即チェック。
📋 見積書チェックの全体像はこちら → 見積書チェック完全ガイド(20項目)
この記事の監修者
横井隆之|愛知県で50年続く塗装店「ヨコイ塗装」2代目。施工実績500件以上。
著書:
- 『外壁塗装の不都合な真実』
- 『塗装方程式 Q=M×T×T』
- 『外壁塗装 工程別チェックポイント21』
助成金・補助金の情報は2026年2月時点のものです。最新の制度内容は各制度の公式サイトをご確認ください。
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この記事の著者
横井隆之
ヨコイ塗装 代表 / 外壁塗装コンサルタント
愛知県扶桑町でヨコイ塗装を経営。塗装業界50年以上の経験と500件を超える施工実績を持つ外壁塗装の専門家。施主の立場に立った公正なアドバイスを提供し、YouTube、ココナラ、MOSHなど複数のプラットフォームでセカンドオピニオンサービスを展開中。
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