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外壁塗装の見積書の見方|プロが教える「騙されないための読み方」9つの項目

外壁塗装の見積書を初めて受け取った方へ。50年の現場経験を持つ職人が、見積書の9項目を一つずつ読み解きます。「何が書いてあるべきか」「書いてないと危険な項目は何か」を具体例付きで解説。

外壁塗装の見積書には、最低でも9つの項目が個別に記載されているべきです。足場、高圧洗浄、下地処理、コーキング、下塗り、中塗り、上塗り、付帯部、諸経費——この9項目のどれかが抜けている見積書は、追加請求や工程省略のリスクを抱えています。

この記事では、見積書を初めて受け取った方でも「何を見ればいいか」が分かるように、9項目を一つずつ読み解いていきます。

外壁塗装の見積書を受け取って「何を見ればいいか分からない」方へ。

この記事はCVピラー「見積書チェック完全ガイド(20項目)」を基礎から学ぶための記事です。


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見積書を開いたら、最初にやるべきことは「何行あるか」を数えることです。

3〜5行しかない → 一式表記の可能性が高い。「一式」表記に潜む3つのリスク →

15行以上ある → 項目別に分かれている可能性が高い。この記事で読み方を確認しましょう。

では、適正な見積書に書かれているべき9項目を順番に見ていきます。


項目1:足場(仮設工事)

見るべきポイント:㎡単価×足場面積で計算されているか

項目数量金額
ビケ足場 設置・解体220㎡ × ¥850¥187,000
飛散防止メッシュシート220㎡ × ¥200¥44,000

足場は外壁塗装の全工程の土台です。足場がなければ塗れませんし、足場が不安定なら職人は丁寧な作業ができません。

チェックポイント

  • 足場面積が記載されているか(㎡数)
  • メッシュシート(飛散防止ネット)が含まれているか
  • ㎡単価が700〜1,000円の範囲内か

要注意サイン

  • 「足場一式」と書かれていて面積がない → 割高にされていても気づけない
  • 「足場代無料」→ 他の項目に上乗せされている可能性が高い
  • 足場面積と外壁面積が同じ数字 → 足場面積は外壁面積より大きいのが普通(建物の周囲に組むため)

30坪2階建ての場合、足場面積はおおよそ200〜260㎡が目安です。


項目2:高圧洗浄

見るべきポイント:㎡単価×面積で計算されているか

項目数量金額
外壁高圧洗浄130㎡ × ¥250¥32,500

高圧洗浄は「きれいにする」ための作業ではありません。塗料が密着するための下準備です。汚れ、コケ、チョーキング(粉化した旧塗膜)を落とさずに塗ると、新しい塗料が剥がれる原因になります。

チェックポイント

  • 独立した項目として記載されているか(「下地処理一式」にまとめられていないか)
  • ㎡単価が200〜350円の範囲内か
  • バイオ洗浄(薬剤洗浄)が含まれる場合は追加費用があるか明記されているか

要注意サイン

  • 高圧洗浄の項目自体がない → 省略される可能性がある
  • 「サービスで洗浄します」→ 項目に入っていないと、やらなくても契約違反にならない

項目3:下地処理

見るべきポイント:ケレン(旧塗膜の除去)とクラック補修が分かれているか

項目数量金額
ケレン(3種)130㎡ × ¥600¥78,000
クラック補修(Vカット)8箇所 × ¥2,500¥20,000

下地処理は塗装品質を左右する最も重要な工程です。にもかかわらず、完成後は上に塗料が被さるため見えなくなる。つまり「手を抜いても施主にバレにくい」工程です。

チェックポイント

  • ケレンの種別(1種〜4種)が記載されているか
  • クラック(ひび割れ)補修が別途記載されているか
  • 面積または箇所数が明記されているか

要注意サイン

  • 「下地処理一式」→ 何をどこまでやるか不明
  • 下地処理の項目がない → 高圧洗浄だけで塗り始める気配
  • クラック補修がゼロ → 築10年以上でクラックがゼロはまず考えにくい

『工程別チェックポイント21』では、下地処理の「見えない品質」について詳しく解説しています。写真や動画で記録を残すべきポイントも掲載。


項目4:コーキング(シーリング)

見るべきポイント:「打ち替え」か「増し打ち」か、m単価×長さで計算されているか

項目数量金額
コーキング打ち替え(変成シリコン)120m × ¥1,000¥120,000

サイディング住宅では、目地のコーキングが劣化すると雨水が侵入します。コーキング工事には「打ち替え」と「増し打ち」の2種類があり、基本的には打ち替えが推奨です。

チェックポイント

  • 「打ち替え」と明記されているか(増し打ちなのに明記していない業者もいる)
  • m単価と総延長が記載されているか
  • 使用するコーキング材の種類が書いてあるか(変成シリコン、ポリウレタン等)

要注意サイン

  • 「コーキング一式」→ 打ち替えか増し打ちか不明
  • コーキングの項目自体がない → サイディング住宅なのにコーキングを省略するのは致命的
  • 増し打ちの単価で打ち替えと記載 → 実際には増し打ちで済ませられる可能性

モルタル住宅の場合はコーキング工事が不要なケースもあります。自宅の外壁材が分からない場合は、業者に確認してください。


項目5:下塗り

見るべきポイント:使用塗料のメーカー名・品番が明記されているか

項目数量金額
下塗り(日本ペイント パーフェクトフィラー)130㎡ × ¥800¥104,000

下塗りは「接着剤」の役割を果たします。下地と上塗り塗料をつなぐ層であり、これを省略すると上塗り塗料の密着不良が起きて早期剥離の原因になります。

チェックポイント

  • 下塗り塗料のメーカー名・品番が記載されているか
  • 上塗り塗料との「相性(推奨下塗り)」が合っているか
  • ㎡単価が600〜1,000円の範囲内か

要注意サイン

  • 下塗りの項目がない → 3回塗りではなく2回塗りの可能性
  • 塗料名が「下塗り材」としか書いていない → 何を使うか不明
  • 下塗りと中塗りが同じ塗料 → 下塗りには専用の塗料を使うべき

項目6:中塗り

見るべきポイント:上塗りと同じ塗料で、単価も同じか

項目数量金額
中塗り(日本ペイント パーフェクトトップ)130㎡ × ¥1,200¥156,000

中塗りと上塗りは原則として同じ塗料を使います。これを「2回塗り」と呼ぶ人もいますが、正確には下塗り1回+上塗り2回=合計3回塗りです。

チェックポイント

  • 中塗りと上塗りが同じ塗料(メーカー・品番が一致)か
  • 面積が下塗りと同じか(同じ外壁を塗るので面積は同じはず)
  • 中塗りが独立した項目として記載されているか

要注意サイン

  • 中塗りの項目がない、または「上塗り2回」としか書いていない → 実際に2回塗るか確認が必要
  • 中塗りの面積だけ小さい → 一部省略の可能性

項目7:上塗り

見るべきポイント:塗料グレードと㎡単価の整合性

項目数量金額
上塗り(日本ペイント パーフェクトトップ)130㎡ × ¥1,200¥156,000

上塗り塗料のグレードが、見積もりの「売り文句」と合っているか確認してください。

「フッ素塗料で15年長持ち」と営業で言っておきながら、見積書には「シリコン塗料」と書いてある——こういうケースは実際にあります。

チェックポイント

  • 口頭の説明と見積書の塗料名が一致しているか
  • 塗料グレードに対して㎡単価が妥当か
  • メーカーの正式な品番が書いてあるか(「シリコン系塗料」のような曖昧な記載ではなく)

要注意サイン

  • 「オリジナル塗料」「自社ブランド塗料」→ 市場価格との比較ができない
  • メーカー名がない → 施工後に「何を塗ったか」の検証が不可能
  • 耐用年数だけが強調されて塗料名がない → 根拠不明

項目8:付帯部塗装

見るべきポイント:部位ごとに個別記載されているか

部位数量金額
軒天40㎡ × ¥1,200¥48,000
破風板30m × ¥900¥27,000
雨樋40m × ¥800¥32,000
雨戸6枚 × ¥3,000¥18,000

付帯部とは、外壁本体以外の塗装箇所のことです。軒天(のきてん)、破風板(はふいた)、雨樋(あまどい)、雨戸、水切り、換気フード、幕板など、住宅の種類によって様々な付帯部があります。

チェックポイント

  • 自宅にある付帯部がすべて見積もりに含まれているか
  • 部位ごとに数量と単価が記載されているか
  • 「付帯部塗装一式」で全部まとめられていないか

要注意サイン

  • 付帯部の項目がない → 契約後に「外壁と付帯部は別料金です」と言われる
  • 「付帯部一式」→ どこを塗るか不明。施工後に「ここは含まれていません」と言われるリスク
  • 塗装ではなく交換が必要な部位が塗装として見積もられている → 劣化が進んだ破風板や雨樋は塗装しても数年で再劣化

項目9:諸経費

見るべきポイント:総額の5〜10%の範囲で、内訳があるか

項目金額
養生材¥25,000
産廃処理費¥18,000
石綿事前調査¥30,000
車両・運搬費¥12,000

諸経費は「よく分からない費用」として施主が最も疑問を持ちやすい項目です。しかし、養生材(マスキングテープ、ビニールシート等)、産業廃棄物の処理費、車両費、保険料などは実際にかかるコストです。

チェックポイント

  • 諸経費の内訳が記載されているか
  • 総額に対して5〜10%の範囲内か
  • 石綿(アスベスト)事前調査費が含まれているか(2023年10月から義務化)

要注意サイン

  • 諸経費が総額の15%以上 → 利益が紛れ込んでいる可能性
  • 諸経費が0円 → 他の項目に転嫁されている
  • 石綿事前調査費がない → 法的義務を知らない、または無視している業者

見積書に「書いてあるべきなのに書いてない」項目チェックリスト

9項目の解説をまとめると、見積書に書いてあるべき情報はこれだけあります。

基本情報

  • 施主名、住所、工事対象(外壁/屋根/両方)
  • 有効期限(見積もりの有効期間)
  • 支払条件(着手金/中間/完了の比率)

数量の根拠

  • 塗装面積(㎡)
  • 足場面積(㎡)
  • コーキング長さ(m)
  • 付帯部の数量(㎡/m/枚/箇所)

品質の根拠

  • 使用塗料のメーカー名・品番(下塗り/中塗り/上塗り各)
  • コーキング材の種類
  • 塗り回数(3回塗りが明記されているか)
  • 下地処理の種別と範囲

工期の根拠

  • 想定工期(日数)
  • 職人の人数

保証の根拠

  • 保証年数と保証範囲
  • 免責条件

これらが揃った見積書を出してくれる業者は、少なくとも「説明責任」を果たす姿勢がある業者です。


人工理論で見ると

定義: 1人工=職人1人が1日8時間作業する労働量

見積書の読み方への応用: 見積書の9項目はすべて「人工(時間)」に換算できます。足場は何人工、洗浄は何人工、下地処理は何人工——このように読み替えると、金額に惑わされずに「この見積もりで適正な工事ができるか」が判断できます。

判定方法: 見積書に工期と職人数が書いてあれば「延べ人工数」を逆算。30坪で20〜25人工が最低基準。書いてなければ、業者に「工期は何日で、職人は何人ですか?」と聞いてください。

人工理論の全体像は「人工理論完全講義」で詳しく解説しています。


よくある質問

Q. 見積書の有効期限が「1週間」と言われた。短すぎない?

有効期限1週間は「早く契約させたい」という意図の可能性があります。一般的な見積書の有効期限は1〜3ヶ月です。ただし、塗料価格が変動している時期は短めに設定されることもあるので、理由を聞いてみてください。

Q. 3社の見積書のフォーマットがバラバラで比較できない。

この記事の9項目をExcelやメモ帳に一覧にして、各社の数字を並べてみてください。「足場㎡単価」「塗料㎡単価」「コーキングm単価」の3つを揃えるだけで、かなり比較しやすくなります。それでも判断が難しければ、AI診断で3社分を一括比較できます。

Q. 見積書を見ても結局よく分からない。どうしたらいい?

この記事で「何が書いてあるべきか」は分かったけど、「自分の見積書が適正かどうか」は別の問題です。自分の見積書を具体的にチェックしたい場合は、500円のAI診断で9項目すべてを即座に判定できます。


まとめ

見積書は「金額を見る」ものではなく、「項目を読む」ものです。

9項目(足場・洗浄・下地処理・コーキング・下塗り・中塗り・上塗り・付帯部・諸経費)がすべて個別に記載されていて、面積・単価・塗料名が明記されている見積書なら、少なくとも「誠実な業者」である可能性が高い。

逆に、「一式」でまとめられていたり、塗料名がなかったり、面積がなかったりする見積書は、契約前に内訳の提出を求めてください。

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見積書チェックの全体像はこちら → 見積書チェック完全ガイド(20項目)


著者: 横井卓也|愛知県で50年続く塗装店「ヨコイ塗装」2代目。施工実績500件以上。著書に『外壁塗装の不都合な真実』『塗装方程式 Q=M×T×T』『工程別チェックポイント21』がある。

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