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外壁塗装を自分でチェック|施主ができる品質確認50項目【完全保存版】

外壁塗装の品質を自分で確認したい施主のための完全ガイド。契約から完了検査まで、50項目のチェックポイントを重要度別に解説。手抜き工事を防ぎ、100万円の投資を守りましょう。

「工事中、何をチェックすればいいか分からない…」

「業者任せで本当に大丈夫なのか不安…」

外壁塗装は100万円前後の大きな投資です。にもかかわらず、多くの施主は「専門家ではないから」と業者任せにしてしまいます。

しかし、素人でもチェックできるポイントは50項目以上あります

この記事では、塗装業50年・200件以上の施工実績を持つ職人の視点から、施主が自分でできる品質確認50項目を工程別に完全解説します。

この記事の監修者

ヨコイ塗装 代表 横井隆之

愛知県で50年続く塗装店の2代目。200件以上の施工実績を持ち、著書に『外壁塗装の不都合な真実』『塗装方程式』『外壁塗装 工程別チェックポイント21』(Kindle)がある。見積もり診断サービス「ペンキのミカタ」を運営し、全国の施主に中立的なアドバイスを提供している。

なぜ施主によるセルフチェックが有効なのか

「見られている」という意識が品質を上げる

私の著書『塗装方程式』では、品質 = モチベーション × 技術 × 時間という公式を提唱しています。

この公式の「モチベーション」に大きく影響するのが、施主の関心度です。

施主がチェックリストを持って現場を訪れ、写真を撮り、質問をする。それだけで職人の意識は変わります。「この施主さんは見ている」という認識が、手抜きへの最大の抑止力になるのです。

塗装工事の60%は「見えない工程」

外壁塗装の品質問題の約60%は、施工後3年以内に発生すると言われています。これは塗料の寿命ではなく、施工プロセスの欠陥が原因です。

問題は、塗装工事の大半が「隠蔽工程」であること。塗ってしまえば下地の状態は見えません。だからこそ、工程ごとのチェックが重要なのです。

重要度ランクの見方

50項目を以下の3段階で評価しています。

ランクリスク説明
S致命的欠陥3年以内の剥離・雨漏りに直結。修正には再塗装が必要
A耐久性低下期待耐用年数を大幅に短縮。5〜7年で美観喪失
B美観・機能不全仕上がり不良、近隣トラブル、付帯設備の問題

特に「S」ランクの項目は、一切の妥協が許されない最重要管理点です。

フェーズI:契約・計画段階(項目1-10)

工事が始まる前の段階こそ、品質管理の設計図を描くタイミングです。

【項目1】見積書の具体性と内訳明示(重要度:S)

確認ポイント:

  • 「外壁塗装工事一式」という曖昧な表記がないか
  • 塗料のメーカー名・商品名・樹脂グレードが明記されているか
  • 塗装面積(㎡)と必要缶数が記載されているか

なぜ重要か:

「一式」見積もりは、業者にあらゆる裁量を与える危険な手形です。後から「これは含まれていない」と言われるトラブルの温床になります。

【項目2】塗布量と必要缶数の計算根拠(重要度:S)

確認ポイント:

  • メーカー仕様書に基づく計算根拠が示されているか
  • 「必要缶数 = 面積 × 所要量 × 塗装回数 ÷ 1缶容量」の計算式

具体例:

塗装面積150㎡、所要量0.25kg/㎡、中塗り・上塗り計2回、1缶15kgの場合:

→ 必要量 = 150 × 0.25 × 2 = 75kg → 最低5缶必要

見積もりにこの計算根拠が示されているかを確認することが、薄め過ぎ(シャブシャブ塗装)を防ぐ最強の武器になります。

→ 関連記事:人工(にんく)とは?見積もりの裏を読み解く

【項目3】工程表に「乾燥日」が確保されているか(重要度:S)

確認ポイント:

  • 高圧洗浄後に乾燥日が設けられているか
  • 下塗り・中塗り・上塗りの間に適切なインターバルがあるか
  • 全工期が7日〜14日程度確保されているか

危険信号:

30坪の戸建てで3〜4日で完了するスケジュールは、乾燥時間を無視している可能性が極めて高いです。

→ 関連記事:乾燥時間を契約書に明記すべき理由

【項目4】シーリング工事の仕様:打ち替えvs増し打ち(重要度:S)

確認ポイント:

  • 部位ごとに「打ち替え」か「増し打ち」か明記されているか
  • 打ち替えが原則、増し打ちは例外(窓周りなど)という理解があるか

なぜ重要か:

「増し打ち」は既存シーリングの上に薄く塗るだけ。すぐに剥離して雨水浸入の原因になります。

→ 関連記事:シーリング「打ち替え」と「増し打ち」の違い

【項目5】保証内容と免責事項の確認(重要度:A)

確認ポイント:

  • 「工事保証」と「製品保証」の違いを理解しているか
  • 保証対象は何か(剥離のみ?ひび割れは?変色は?)
  • 免責事項は何か(自然災害、経年劣化など)

注意点:

「10年保証」という言葉だけで安心してはいけません。保証書の見本を取り寄せ、条文レベルで確認しましょう。

【項目6】色決めとカラーシミュレーションの限界認識(重要度:B)

確認ポイント:

  • A4サイズ以上の塗り板見本を依頼したか
  • 晴天時・曇天時、朝・夕方など異なる条件で確認したか

注意点:

色は面積が大きくなるほど明るく見える「面積効果」があります。小さな色見本やモニター画像は参考程度に。

【項目7】近隣挨拶とトラブル防止計画(重要度:B)

確認ポイント:

  • いつ、どこまで、どのような挨拶を行うか確認したか
  • 施主自身も一言挨拶に出向く予定があるか

【項目8】有資格者の配置確認(重要度:B)

確認ポイント:

  • 現場責任者が「一級塗装技能士」の資格を持っているか
  • 実務経験7年以上の職人が担当するか

【項目9】火災保険・瑕疵保険の適用可能性(重要度:B)

確認ポイント:

  • 台風・雪害による損傷がある場合、火災保険の適用を提案されたか
  • リフォーム瑕疵保険への加入を検討したか

【項目10】支払条件とクーリングオフの説明(重要度:B)

確認ポイント:

  • 全額前払いを要求されていないか(避けるべき)
  • 訪問販売の場合、クーリングオフの説明を受けたか

フェーズII:足場・洗浄・養生(項目11-20)

塗装の「持ち」を左右する下準備の段階です。

【項目11】足場の安全性と飛散防止ネット(重要度:A)

確認ポイント:

  • ビケ足場(くさび式足場)が採用されているか
  • メッシュシートが隙間なく張られているか

【項目12】高圧洗浄の圧力と丁寧さ(重要度:A)

確認ポイント:

  • 洗浄時間は半日〜丸1日かかっているか
  • 1〜2時間で終了していないか(表面を濡らしただけ)

→ 関連記事:高圧洗浄の確認ポイント

【項目13】バイオ洗浄の実施可否判断(重要度:B)

確認ポイント:

  • 北面のカビ・コケが著しい場合、専用薬剤での洗浄を提案されたか

【項目14】洗浄後の完全乾燥期間(重要度:S)

確認ポイント:

  • 洗浄後、最低24〜48時間の乾燥期間が確保されているか
  • 含水率計での測定を行っているか(目安:10%以下)

なぜ重要か:

水分が残ったまま塗装すると、気化した水分が逃げ場を失い、塗膜を内側から押し上げて「膨れ(ブリスター)」を発生させます。

【項目15】養生の密閉性とライン精度(重要度:B)

確認ポイント:

  • 窓、サッシ、玄関ドアが隙間なく養生されているか
  • テープのラインがまっすぐ貼られているか

職人の技術が見える場所:

養生テープが真っ直ぐ貼られていれば、塗装の仕上がりも期待できます。

【項目16】エアコン室外機の稼働対策(重要度:A)

確認ポイント:

  • 通気性を確保した専用メッシュカバーが使用されているか
  • 完全密閉されていないか(故障の原因)

【項目17】換気扇・給気口の養生管理(重要度:S)

確認ポイント:

  • ガス給湯器の排気口を塞いだまま使用していないか(CO中毒の危険)
  • 24時間換気の吸気口が適切に管理されているか

命に関わる項目です。必ず確認してください。

【項目18】非塗装部の厳重保護(重要度:B)

確認ポイント:

  • アルミサッシ、玄関ドアに塗料が付着しないよう厳重に養生されているか

【項目19】植栽・車両・エクステリアの保護(重要度:B)

確認ポイント:

  • 車に専用カバーがかけられているか
  • 庭木に通気性のある不織布で養生されているか

【項目20】下地調整(ケレン)のグレード確認(重要度:A)

確認ポイント:

  • 鉄部のサビが除去され、研磨跡があるか
  • ケレン作業の写真を要求したか

フェーズIII:下地補修・シーリング(項目21-30)

最も「手抜き」されやすい工程です。塗ってしまえば見えなくなるこの段階こそ、施主の監視が最も必要です。

【項目21】ひび割れ補修の工法確認(重要度:A)

確認ポイント:

  • 構造クラック(幅0.3mm以上)に「Uカット/Vカット工法」が採用されているか
  • 単なるシーリング擦り込みで済ませていないか

→ 関連記事:下地処理が8割を決める

【項目22】シーリングの2面接着と3面接着(重要度:S)

確認ポイント:

  • 目地底に「ボンドブレーカー」や「バックアップ材」が入っているか
  • 青いテープや発泡材が見えているか

なぜ重要か:

3面接着だとシーリングが自由に伸縮できず、破断するかサイディング自体を割ってしまいます。

【項目23】シーリング用プライマーの塗布(重要度:A)

確認ポイント:

  • プライマーの缶が現場にあるか
  • 塗布されている写真を記録として残しているか

省くと:

シーリング材が密着せず、早期に界面剥離(隙間が生じる)を起こします。

【項目24】サイディングの浮き・反りのビス補強(重要度:A)

確認ポイント:

  • 浮いている箇所にビス止めによる再固定が行われているか
  • 反りが激しい場合、部分張り替えを提案されているか

【項目25】爆裂・欠損箇所の防錆・成形補修(重要度:A)

確認ポイント:

  • 露出した鉄筋にサビ止めが塗布されているか
  • 樹脂モルタルで元の形状に成形されているか

【項目26】補修跡の肌合わせ(パターン復元)(重要度:B)

確認ポイント:

  • 補修箇所が周囲の模様に合わせて処理されているか
  • 「ミミズ腫れ」のように浮き出ていないか

【項目27】釘頭の処理とパテ埋め(重要度:B)

確認ポイント:

  • 浮いている釘が打ち込み直されているか
  • サビている釘頭にサビ止め処理がされているか

【項目28】タスペーサーの挿入(スレート屋根)(重要度:S)

確認ポイント:

  • 屋根材の隙間にタスペーサーが挿入されているか
  • 1枚の屋根材に対し2個が標準

なぜ重要か:

縁切りが不十分だと、毛細管現象により雨水が野地板に吸い上げられ、雨漏りの直接原因になります。

【項目29】鉄部の専用サビ止め下塗り(重要度:A)

確認ポイント:

  • 上塗りの前に、赤茶色やグレーのサビ止め塗料が塗られているか
  • サビ止め色に染まっている段階を確認したか

【項目30】プラスチック・塩ビ部の目荒らし(重要度:B)

確認ポイント:

  • 雨樋などの表面にサンドペーパーで傷がつけられているか

省くと:

数年後に塗膜がペリペリと薄皮のように剥がれてきます。

フェーズIV:塗装工程(項目31-40)

ここでは「厚み(膜厚)」と「時間(乾燥)」の管理がすべてです。

【項目31】3回塗りプロセスの遵守(重要度:S)

確認ポイント:

  • 下塗り・中塗り・上塗りの計3回塗りが行われているか
  • 2回塗りで済ませていないか

悪質な手口:

中塗りを省くと、材料費と人件費が浮きます。これを見抜くのが次の「色変え工法」です。

→ 関連記事:塗料の手抜き5パターン

【項目32】下塗り材の適切な選定(重要度:A)

確認ポイント:

  • シーラー/フィラー/サーフェサーが外壁の状態に合わせて選ばれているか
  • メーカー推奨の仕様と合致しているか

【項目33】色変え工法による工程管理(重要度:S)

確認ポイント:

  • 中塗りと上塗りで少し色が変えられているか
  • 塗り残しがあれば色が違うので分かる

最も有効な手抜き防止策:

契約時に「色変え」を要望し、施工写真を残させましょう。

【項目34】塗布量の実績確認(空き缶検査)(重要度:S)

確認ポイント:

  • 使用済みの空き缶の写真を撮ってもらったか
  • 計算上の必要缶数と実際の消費量が一致しているか

最強の牽制球:

5缶必要なのに空き缶が3つしかなければ、塗料を過剰に薄めたことが明白です。

【項目35】塗料の希釈率の厳格管理(重要度:A)

確認ポイント:

  • 現場に「秤(はかり)」があるか
  • 目分量ではなく重量比で希釈しているか

【項目36】工程間インターバルの遵守(重要度:S)

確認ポイント:

  • 朝に下塗り、昼前に中塗り、午後に上塗り…という強行スケジュールになっていないか
  • メーカー仕様書の「気温23℃で3時間以上」などの規定が守られているか

【項目37】ローラー・刷毛の適切な使い分け(重要度:B)

確認ポイント:

  • サッシ周り、入隅などの細かい部分は刷毛で「ダメ込み」されているか

【項目38】塗り継ぎムラの防止(重要度:B)

確認ポイント:

  • 壁の真ん中に色ムラや艶ムラがないか

【項目39】気象条件による作業中止判断(重要度:A)

確認ポイント:

  • 気温5℃以下で作業していないか
  • 湿度85%以上(雨天時など)で塗装していないか

雨の日に塗装を強行する業者は論外です。

【項目40】結露・夜露対策(重要度:B)

確認ポイント:

  • 午後3時〜4時頃には塗装作業を終え、乾燥時間を確保しているか

フェーズV:完了検査・引渡し(項目41-50)

足場解体前に施主立ち会いで行うことが鉄則です。足場を外してからでは、再び組むコスト(15万〜20万円)がかかります。

【項目41】「見えにくい場所」の塗り残しチェック(重要度:B)

重点確認箇所:

  • 雨樋の裏側
  • エアコン配管・ダクトの裏
  • ガスメーターの裏
  • 窓枠の上下(小口)
  • ベランダ手摺の下端

コツ:

スマホのライトや手鏡を使って確認しましょう。

→ 関連記事:写真報告を契約条件にすべき理由

【項目42】ライン出しの精度確認(重要度:B)

確認ポイント:

  • 色の境界線がビシッと真っ直ぐ出ているか
  • はみ出しがある場合はタッチアップを指示

【項目43】付帯部の仕様整合性確認(重要度:A)

確認ポイント:

  • 外壁と付帯部(雨樋、破風板)が同等の耐用年数の塗料で塗られているか

【項目44】塗膜の物理的欠陥の有無(重要度:S)

確認ポイント:

  • ピンホール(針穴のような小さな穴)がないか
  • ダレ(塗料の垂れ跡)がないか
  • ブツ(ゴミ・砂埃の付着)がないか

【項目45】色ムラ・艶ムラの多角的確認(重要度:B)

確認ポイント:

  • 真正面からだけでなく、斜めから透かして見る
  • 直射日光時と日陰時の両方で確認

【項目46】清掃と現状復旧の確認(重要度:B)

確認ポイント:

  • 窓ガラス、土間コンクリートに塗料飛散がないか
  • 養生テープの糊残りがないか
  • 移動させた物品が元に戻されているか

【項目47】工事完了報告書と工程写真台帳の受領(重要度:S)

確認ポイント:

  • 以下の写真が含まれた報告書を受け取ったか
  • 施工前の全景・劣化状況
  • 高圧洗浄中の様子
  • 下地補修の状況
  • 下塗り・中塗り・上塗りの各工程(使用塗料缶と一緒に)
  • 完了後の全景・細部

「アルバムは嘘をつかない」。写真は最強の証拠です。

【項目48】出荷証明書の確認(重要度:A)

確認ポイント:

  • 塗料メーカーまたは販売店の出荷証明書を受け取ったか
  • 「いつ」「どの現場に」「何缶」出荷されたか記載されているか

これで判明すること:

別の現場で余った塗料の使い回し、缶数ごまかしを完全に看破できます。

【項目49】保証書の発行とアフター点検計画(重要度:A)

確認ポイント:

  • 正式な保証書を受け取ったか
  • 1年点検、3年点検などの定期フォロースケジュールが明確か

【項目50】最終的な「納得」と完了確認書への署名(重要度:S)

確認ポイント:

  • 全ての指摘事項が是正されてから署名したか
  • 少しでも気になる点があれば、サインを保留する勇気を持つ

この署名は「私はこの品質に満足しました」という意思表示です。

50項目を効率的に管理する方法

「50項目も覚えられない…」という方も多いでしょう。

そこでおすすめなのが、見守り塗装(ペイント)の活用です。

当サイトで提供している見守り塗装(ペイント)では、21工程の進捗をスマホで確認でき、工程ごとに自動でLINE通知が届きます。

アプリの主な機能:

  • 21工程のカンバンボード管理
  • 工程完了時の自動通知
  • 写真記録の一元管理
  • 乾燥時間の自動計算

「見られている」という意識を職人に持ってもらうことが、品質向上の第一歩です。

→ 関連記事:外壁塗装の「予行演習」完全ガイド

まとめ

外壁塗装の品質は、施主の関心度に大きく左右されます。

本記事で紹介した50項目のうち、特に重要度「S」の項目は、致命的な欠陥工事を防ぐために必ず確認してください。

最重要10項目(Sランク):

  1. 見積書の具体性と内訳明示
  2. 塗布量と必要缶数の計算根拠
  3. 工程表に乾燥日が確保されているか
  4. シーリングの打ち替えvs増し打ち
  5. 洗浄後の完全乾燥期間
  6. 換気扇・給気口の養生管理
  7. シーリングの2面接着
  8. タスペーサーの挿入
  9. 3回塗りプロセスの遵守
  10. 色変え工法による工程管理

「良い仕事」は、信頼できる業者と、知識を持った賢明な施主とのパートナーシップから生まれます。

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この記事の解説動画

施主ができる品質確認50項目

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