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塗装方程式の実践ガイド|「時間」は見積もりで、「モチベーション」は現場で見極める

この記事の監修者

ヨコイ塗装 代表 横井隆之

愛知県で50年続く塗装店の2代目。200件以上の施工実績を持ち、著書に『外壁塗装の不都合な真実』『塗装方程式』『外壁塗装 工程別チェックポイント21』(Kindle)がある。見積もり診断サービス「ペンキのミカタ」を運営し、全国の施主に中立的なアドバイスを提供している。

はじめに

「塗装方程式って聞いたことはあるけど、結局どう使えばいいの?」

そんな疑問をお持ちの方に、この記事では塗装方程式を「実践」に落とし込む方法をお伝えします。

塗装方程式とは、私が50年の現場経験から導き出した品質の公式です。

品質 = モチベーション × 技術 × 時間

この3つの要素は「掛け算」の関係にあり、どれか1つでもゼロに近ければ、品質もゼロに近づきます。

理論はわかった。でも、施主として具体的に何をすればいいのか?

結論から言うと、たった2つのポイントを押さえるだけで、手抜き工事のリスクは大幅に下がります。

タイミング見極める要素方法
契約前時間(人工)見積書をチェック
施工中モチベーション現場で職人の態度を観察

技術は資格や経験年数である程度確認できます。しかし「時間」と「モチベーション」は、施主の行動次第で大きく変わる要素です。

この記事では、一般の方でも今日から使える実践的なチェック方法を解説します。

1. 契約前に「時間」を見積もりでチェックする

なぜ「時間」が重要なのか

塗装工事は「乾かす時間」が品質を決めます。

下塗り→乾燥→中塗り→乾燥→上塗り

この乾燥時間を守らないと、塗膜が密着せず、数年で剥がれてしまいます。

しかし、工事を急ぐ業者は乾燥時間を削ります。なぜなら、時間を削れば人件費が浮くからです。

「人工」という魔法の指標

塗装業界では、職人1人の1日の作業量を「1人工(にんく)」と呼びます。

この「人工」を見れば、業者が十分な時間を確保しているかが一目でわかります。

適正人工の目安

建物規模外壁のみ外壁+屋根
25坪12〜15人工20〜25人工
30坪15〜20人工25〜30人工
35坪18〜23人工28〜35人工

見積書のチェック方法

ステップ1:人工数を確認する

見積書に「人工」または「工数」の記載があるか確認します。

記載がない場合は、「この工事は何人工の想定ですか?」と質問してください。答えられない業者は要注意です。

ステップ2:目安と比較する

30坪の外壁塗装で「10人工」と言われたら、それは赤信号です。物理的に丁寧な仕事ができる人工数ではありません。

ステップ3:工期から逆算する

「1週間で終わります」という業者も危険です。

30坪の外壁塗装なら、最低でも10〜14日は必要です。それより短い場合は、乾燥時間を削っている可能性があります。

質問例

見積もり時に使える質問をご紹介します。

・「この工事は何人工を想定していますか?」

・「下塗りと中塗りの間は何日空けますか?」

・「雨が降った場合、工期は延びますか?」

これらの質問に具体的な数字で答えられる業者は、時間をきちんと確保している可能性が高いです。

2. 施工中に「モチベーション」を現場で上げる

なぜ「モチベーション」が品質に直結するのか

塗装工事には、完了後に見えなくなる工程がたくさんあります。

・高圧洗浄の丁寧さ

・下地処理の細かさ

・養生の正確さ

・乾燥時間の遵守

これらは、上から塗料を塗ってしまえば、施主には見分けがつきません。

だからこそ、職人の「やる気」が品質を左右します。

「誰も見ていないから手を抜こう」と思う職人と、「きちんとやりたい」と思う職人では、仕上がりがまったく違います。

施主ができる「モチベーションを上げる」行動

面白いことに、施主の行動で職人のモチベーションは変わります

以下は、私が50年の現場で見てきた「やる気が上がる施主」の特徴です。

1. 工程に関心を示す

「今日はどの工程ですか?」「乾燥は順調ですか?」

このような声かけがあると、職人は「見られている」と感じ、手を抜きにくくなります。

2. 労いの言葉をかける

「暑い中ありがとうございます」「きれいに塗っていただいてますね」

こうした言葉は、職人のプライドを刺激します。「この施主さんのためにいい仕事をしよう」という気持ちになるものです。

3. 差し入れをする

冷たい飲み物や軽いお菓子の差し入れは、金額以上の効果があります。

義務ではありませんが、人間関係が良くなると品質も上がるのは事実です。

「見える化」でモチベーションを維持する

もう一つ効果的なのが、工事の「見える化」です。

・毎日の作業報告をもらう

・工程ごとの写真を撮ってもらう

・見守り塗装(ペイント)で進捗を共有する

「常に見られている」という環境は、職人の緊張感を維持し、手抜きの抑止力になります。

3. 「技術」は資格と質問で見極める

3つ目の要素「技術」は、契約前に確認できます。

最低限チェックすべきこと

チェック項目確認方法
塗装技能士の資格資格証の提示を求める
施工実績過去の施工写真を見せてもらう
塗料の知識下記の質問をする

技術力を見極める質問

・「難付着サイディングかどうか、どうやって判断しますか?」

・「下地処理はどのように行いますか?」

・「この塗料を選んだ理由は何ですか?」

これらの質問に具体的に答えられる業者は、技術力が高い可能性があります。

曖昧な回答や、質問を嫌がる業者は避けた方が無難です。

まとめ:2つのポイントを押さえれば品質は守れる

塗装方程式を実践に落とし込むと、シンプルな2つのポイントに集約されます。

タイミング要素施主がやること
契約前時間見積書で「人工」をチェック
施工中モチベーション現場で関心を示し、見える化する

「時間」は契約前に確定する要素です。見積もり段階で十分な人工が確保されていなければ、どんなに優秀な職人でも品質は下がります。

「モチベーション」は施工中に変動する要素です。施主の関わり方次第で、職人のやる気は上がりも下がりもします。

専門知識がなくても、この2つを意識するだけで、手抜き工事のリスクは大幅に減らせます。

外壁塗装は100万円を超える大きな買い物です。塗装方程式の視点で「品質を出せる構造になっているか」を見極めてください。

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