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外壁塗装トラブル統計2026|国民生活センター最新データで見る被害実態と対策

2024年度の国民生活センター統計を徹底分析。訪問販売リフォーム相談11,861件、点検商法12,510件と過去最高を更新。高齢者被害の実態と対策を解説。

著者: 横井隆之

この記事の監修者

ヨコイ塗装 代表 横井隆之

愛知県で50年続く塗装店の2代目。200件以上の施工実績を持ち、著書に『外壁塗装の不都合な真実』『塗装方程式』『外壁塗装 工程別チェックポイント21』(Kindle)がある。見積もり診断サービス「ペンキのミカタ」を運営し、全国の施主に中立的なアドバイスを提供している。

はじめに

「外壁塗装のトラブルって、実際どれくらい起きているの?」

この疑問に、国民生活センターの最新統計データでお答えします。

2024年度、住宅リフォーム相談が新築相談を統計開始以来初めて上回りました。これは、私たちの関心が「家を建てること」から「家を守ること」へとシフトしていることを示しています。

しかし同時に、その「家を守りたい」という気持ちに付け込む悪質業者も急増しています。

50年間、塗装の現場に立ってきた私から見ても、最近のトラブルの巧妙さには驚かされます。ドローンを使った点検商法、火災保険を悪用した詐欺的勧誘など、手口は年々進化しています。

この記事では、2023年度から2024年度にかけての最新統計を基に、外壁塗装トラブルの実態と、あなたが被害に遭わないための対策を解説します。

外壁塗装トラブルの相談件数|過去最高を更新

リフォーム相談が新築相談を逆転

住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」の最新統計によると、2024年度のリフォーム相談は11,920件を記録し、新築相談(11,682件)を初めて上回りました。

この逆転は、日本の住宅事情が「つくる」から「守る」時代へ移行したことを象徴しています。築30年を超える住宅が増え、メンテナンスの需要が急増しているのです。

訪問販売リフォーム相談の推移

| 年度 | 訪問販売リフォーム | 点検商法 | 前年比 |

|------|:------------------:|:--------:|:------:|

| 2021年度 | 9,756件 | 7,435件 | — |

| 2022年度 | 10,099件 | 8,165件 | +3.5% |

| 2023年度 | 11,861件 | 12,510件 | +17% |

| 2024年度(速報) | 増加傾向 | 1.6倍ペース | — |

2023年度の点検商法12,510件は、訪問販売リフォーム相談を逆転する衝撃的な数字です。「無料で点検します」という口実で住宅に侵入し、虚偽の不具合を指摘して契約を迫る手口が、急速に広がっています。

外壁塗装は「トラブルの温床」

外壁塗装に関する相談は年間約10,000件、1日平均約27件寄せられています。

住まいるダイヤルの見積チェックサービスでも、相談部位の第1位は「外壁(26.1%)」、第2位は「屋根(25.8%)」。住宅の外装部分だけで全体の過半数を占めています。

なぜ外壁塗装でこれほどトラブルが起きるのか?その理由は、私が提唱する「塗装方程式」で説明できます。

なぜ外壁塗装はトラブルが多いのか?|構造的な問題

情報の非対称性という構造的問題

外壁塗装は、売り手(業者)と買い手(施主)の間に圧倒的な知識格差が存在する「信用財」です。

| 問題 | 内容 |

|------|------|

| 工程のブラックボックス化 | 希釈率、乾燥時間、塗り回数が正しく守られているか、施主には確認不可能 |

| 結果の遅延性 | 手抜きの不具合(剥がれ、変色)が顕在化するのは数ヶ月〜数年後 |

| 定価の不在 | 30坪で80〜120万円という幅広い相場が、価格判断を困難にする |

私が提唱する「塗装方程式」では、品質を「品質 = モチベーション × 技術 × 時間」と定義しています。

悪徳業者は「時間(人工)」を極限まで削ることで利益を最大化します。本来5人工(5人日)必要な工事を3人工で済ませれば、2人工分の人件費が丸儲けになるからです。

「人工(にんく)」の詳細はこちら

被害者の属性|誰が狙われているのか?

高齢者への集中

リフォーム相談者の年齢分布は、高齢層に著しく偏っています。

| 年代 | 割合 |

|------|:----:|

| 50歳代 | 25.7% |

| 60歳代 | 28.4% |

| 70歳以上 | 21.0% |

| 50歳代以上 合計 | 約75% |

特に65歳以上が全体の約半数(48.7%)を占めており、火災保険を悪用したトラブルに限定すると、60代以上が約73%に達します。

なぜ高齢者が狙われるのか?

悪質業者が高齢者をターゲットにする理由は明確です。

・住宅の老朽化:高度経済成長期に取得した住宅が築30年超え

・資産の保有:退職金や貯蓄がある

・孤独・判断力の低下:相談相手がいない、即決を迫られやすい

見積チェックサービス利用者の67.4%が築20年以上の住宅に関する相談です。住宅の経年劣化という「避けられないリスク」が、悪質業者の参入障壁を下げています。

契約経路の98%が「契約後」相談

訪問販売によるリフォーム相談のうち、98.1%が契約後の相談です。

これは、消費者が契約前に慎重に検討する機会を奪われ、事後的に不当性に気づいている実態を示しています。

トラブルの内容別分類

契約・勧誘トラブル(67.7%)

外壁塗装相談の約7割が契約・勧誘に関するトラブルです。

・「今すぐ契約しないと屋根が落ちる」という不安の煽り

・数時間に及ぶ居座り

・クーリング・オフの説明不備

・「契約を解消したい」という希望が他の相談より高い(16.9%)

施工品質トラブル(42.5%)

専門家相談(建築士・弁護士同席)では、施工品質が最多の相談事項です。

・下地処理の不足による早期の剥がれ

・塗りムラ

・飛散による近隣トラブル

・乾燥時間無視による塗膜不良

価格トラブル

・請求額が当初提示額の1.5倍に膨れ上がるケース

・「キャンペーン期間中だから」という根拠のない大幅値引き

・見積内容の「諸経費の内容」に関する相談が29.2%で最多

悪質商法の最新手口2026

ドローン点検商法の急増

2023年から2024年にかけて最も顕著な変化は、ドローンの悪用です。

「屋根に登ると瓦を傷める可能性があるから、ドローンで安全に点検する」

一見合理的で親切な提案に見えますが、撮影した映像を巧妙に編集して既存の破損箇所のように見せたり、解像度の低い画像で不安を煽ったりして、不必要な高額工事を契約させる事例が相次いでいます。

火災保険詐欺の急増(5年で3倍)

「火災保険を使えば実質0円でリフォームできる」

この勧誘による相談件数は、2018年から2023年にかけて約3倍に急増しています。

本来、火災保険は自然災害による損害を補償するものですが、業者は経年劣化による損傷を「風災」として申請するよう消費者に教唆します。これが発覚した場合:

・保険契約が解除される

・消費者が詐欺罪に問われるリスクがある

・保険金が下りなくても高額なキャンセル料を請求される

SNS・ネット広告からの流入

従来の訪問販売に加え、SNS広告やポータルサイトを入り口としたトラブルも過去最多となっています。

低価格や高品質を謳うネット広告をクリック → 情報登録 → 強引な訪問勧誘に発展

特に若年層や、訪問販売には警戒心を持っている層が、このルートで被害に遭う傾向があります。

季節別・地域別の傾向

春・秋がトラブルのピーク

外壁塗装は、塗料の乾燥に適した気温と湿度が求められるため、春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)が施工のハイシーズンです。悪質業者もこの時期に営業活動を最大化させます。

災害後に急増する点検商法

台風や大雨、地震の直後には、屋根や外壁の点検を口実にしたトラブルが激増します。「瓦がずれている」「放置すると雨漏りする」といった勧誘トークは、もはや典型的なパターンです。

地域別では関東が51%

地域別の統計では、関東地方が相談全体の51.0%と過半数を占めています。都市近郊の古い分譲住宅地が、悪質業者にとっての「巡回効率」の高いエリアとして認識されています。

被害を防ぐための3つの対策

対策1:第三者による見積チェック

被害の98%以上が契約後に発覚しているという現実は、事前の第三者チェックの重要性を示しています。

住まいるダイヤルのような専門家が客観的に見積を評価するプロセスを活用することで、情報の非対称性は大幅に解消されます。

私が運営する「見積もり診断サービス」でも、50年の経験を持つ職人の目で見積書をチェックし、適正価格かどうかを判断しています。

見積もり診断サービスの詳細はこちら

対策2:「人工」で見積もりを検証する

見積書に記載された「人工(にんく)」から、工事の適正さを判断できます。

30坪の住宅であれば、最低でも10人工以上が必要です。これを大幅に下回る見積もりは、工程省略や手抜きのリスクがあります。

対策3:即決を絶対に避ける

訪問販売の被害は、「今日契約すれば値引き」「すぐに工事しないと危険」という即決を迫る場面で最大化します。

どんなに不安を煽られても、最低でも3社の相見積もりを取り、家族や第三者に相談してから決断してください。

人工(にんく)理論の視点

トラブル統計の背景にある構造的要因を、人工理論の視点で補足します。国民生活センターに寄せられる塗装トラブルの多くは、施工品質に起因しています。その品質低下の原因は、人工不足。紹介サイトの手数料→人工削減、中間マージン→人工削減、値引き競争→人工削減。業界構造のあらゆる場所で人工が削られ、その結果としてトラブルが発生しています。統計の数字の裏には、常に「削られた人工」があるのです。

人工理論の詳しい解説は「人工(にんく)理論 完全講義」をご覧ください。

まとめ

外壁塗装トラブルの統計データは、決して他人事ではありません。

・訪問販売リフォーム相談:11,861件(2023年度)

・点検商法相談:12,510件(1.5倍増)

・被害者の75%が50歳代以上

・相談の98%が契約後

これらの数字が示すのは、「契約前の情報収集」と「第三者によるチェック」の重要性です。

私が50年間、塗装の現場で見てきた経験から言えることがあります。良い業者は、あなたに考える時間を与えます。悪い業者は、考える時間を奪います。

この記事の統計データが、あなたの「考える材料」になれば幸いです。

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この記事の著者

横井隆之

横井隆之

ヨコイ塗装 代表 / 外壁塗装コンサルタント

業界経験 50著書 3

愛知県扶桑町でヨコイ塗装を経営。塗装業界50年以上の経験と500件を超える施工実績を持つ外壁塗装の専門家。施主の立場に立った公正なアドバイスを提供し、YouTube、ココナラ、MOSHなど複数のプラットフォームでセカンドオピニオンサービスを展開中。

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