ホーム/STEP 1: 住まいを知ろう/外壁材別の弱点と塗装ポイント|サイディング・モルタル・ALCの違い
ハウツーSTEP 1

外壁材別の弱点と塗装ポイント|サイディング・モルタル・ALCの違い

サイディング、モルタル、金属サイディング、ALC、タイル。外壁材ごとの弱点と正しいメンテナンス方法を解説。シーリング打ち替えとクラック処理の重要性も。

外壁材によってメンテナンス方法は大きく異なります。間違った塗装は逆効果になることもあります。

この記事では、各外壁材の「弱点」と「塗装時の注意点」を詳しく解説します。見積もりを取る前に、自宅の外壁材に合った施工ポイントを把握しておきましょう。

窯業系サイディング(最も普及)

日本の住宅の約70%で使用されている最も普及した外壁材です。

弱点:シーリング(目地)の劣化が最大の敵

窯業系サイディングは板状のパネルを並べて施工するため、パネル間の目地にシーリング(コーキング)を充填します。このシーリングは紫外線や温度変化により劣化し、ひび割れや剥がれが生じます。

シーリングが劣化すると、そこから雨水が侵入し、外壁材の裏側が腐食したり、雨漏りの原因になります。

塗装ポイント:「打ち替え」と「増し打ち」の違い

シーリング処理には2つの方法があります。

【打ち替え】古いシーリングを完全に撤去し、新しく打ち直す方法。手間がかかりますが、確実に新しいシーリングで防水できます。

【増し打ち】古いシーリングの上から新しいシーリングを重ねる方法。短時間で済みますが、古いシーリングと新しいシーリングの間で剥離が起きやすく、数年で再劣化するリスクがあります。

手抜き業者は時間を節約するため「増し打ち」で済ませがちです。打ち替えには時間がかかる=人工がかかりますが、長期的な耐久性を考えると打ち替えが基本です。

モルタル

セメント・�ite・水を混ぜた塗り壁で、築20年以上の住宅に多く見られます。

弱点:クラック(ひび割れ)が入りやすい

モルタルは硬い素材のため、建物の揺れや温度変化による膨張収縮でクラック(ひび割れ)が発生しやすいです。

クラックから雨水が侵入すると、内部の構造材を腐食させたり、カビの原因になります。

塗装ポイント:下地処理の重要性

クラックの種類によって補修方法が異なります。

【ヘアークラック(0.3mm未満)】微弾性フィラーで埋める方法で対応可能。

【構造クラック(0.3mm以上)】Uカット工法(溝をU字型に広げてシーリングを充填)が必要。この工程を省略すると、クラックが再発します。

塗るだけでは再発します。下地処理に時間をかけられるか=人工をかけられるかが、塗装の持ちを左右します。

金属サイディング

ガルバリウム鋼板などの金属を使った外壁材です。軽量で断熱性が高いのが特徴です。

弱点:サビと塗膜剥がれ

「ガルバリウムは塗装不要」という誤解がありますが、これは間違いです。

ガルバリウム鋼板は確かに錆びにくい素材ですが、切断面や傷からサビが進行します。特に海岸近くでは塩害による劣化が早まります。

塗装ポイント:ケレンとサビ止めの徹底

金属サイディングの塗装では、ケレン作業(サビ落とし・目荒らし)とサビ止め処理が必須です。

ケレン作業を省略したり、サビ止めを塗らずに仕上げ塗料だけ塗ると、すぐに剥がれてしまいます。下地処理に手間をかけることが、耐久性の鍵です。

ALC(軽量気泡コンクリート)

内部に気泡を含む軽量コンクリートで、断熱性・耐火性が高いのが特徴です。

弱点:吸水性が高い

ALCは内部に気泡を含むため、吸水性が非常に高いです。塗装の防水機能が失われると、雨水を吸収し、凍結融解で劣化が進みます。

そのため、ALCの塗装は他の外壁材より重要な役割を果たします。

塗装ポイント:下塗り材の選定が特に重要

ALCの塗装では、下塗り材(シーラー・フィラー)の選定が特に重要です。吸水性の高いALCにしっかり密着し、下地を強化する必要があります。

また、内部の湿気を外に逃がすため、透湿性のある塗料を選ぶことも大切です。透湿性のない塗料を使うと、塗膜が膨れる原因になります。

タイル

粘土を高温で焼き固めた外壁材で、耐久性が非常に高いのが特徴です。

弱点:目地の劣化

タイル自体は塗装不要ですが、目地(シーリングやモルタル)は劣化します。目地の劣化を放置すると、そこから雨水が侵入し、タイルの浮きや剥落の原因になります。

メンテナンスポイント

10〜15年ごとに目地の点検と補修を行いましょう。また、タイルの浮きがないか打診検査で確認することも大切です。

まとめ

外壁材によって「何に注意すべきか」は大きく異なります。

・窯業系サイディング → シーリングの打ち替え

・モルタル → クラック補修(Uカット工法)

・金属サイディング → ケレンとサビ止め

・ALC → 下塗り材の選定と透湿性塗料

・タイル → 目地の点検と補修

共通するのは「下地処理の重要性」です。時間をかけた丁寧な施工=人工をかけられる業者を選ぶことが、塗装の持ちを左右します。

STEP1の関連記事

外壁材の特性を知ったら、築年数や実際の劣化症状もチェックしましょう。

築年数別 外壁塗装のタイミング

築10年・15年・20年で外壁に何が起きるか。セルフチェック方法も紹介

外壁の劣化サイン一覧

症状別の緊急度を解説。「今すぐ」か「まだ大丈夫」か判断できます

次のステップへ

外壁材の特徴を理解したら、次は業者選びのポイントを学びましょう。

「人工」で見る塗装品質の見極め方

STEP2:業者を探そう ─ 同じ100万円でも「使える人工」は3倍違う。見積書の裏側にある品質の差を解説します。