破風・鼻隠しは建物の「瞼(まぶた)」である
- 屋根の妻側(三角形の側面)に取り付けられる「破風板」
- 軒先の雨樋の裏側に位置する「鼻隠し」
- 暴風雨が屋根裏へ侵入するのを防ぐ防波堤
- 火災時には火が屋根裏へ回るのを遅らせる防火壁の役割
「付帯部」という軽い名称の危険性
- 見積もり上では「付帯部」と一括りにされ、最も粗雑に扱われる
- 施主の関心は面積の広い外壁や屋根に向きがち
建物の寿命を縮める決定的なダメージは、往々にして破風や鼻隠しの接合部から始まる
- 地上からは見えにくく、足場を組んで初めて惨状が明らかになる
- 手抜き工事の温床となりやすい「不可視の領域」
塗装方程式と「時間(T)」の重要性
品質 = モチベーション × 技術 × 時間
- 一つでもゼロに近づけば最終的な品質はゼロになる乗算の関係
- 業者が提示金額を下げるために操作できるのは「時間」しかない
相場より著しく安い見積もり=「時間の短縮」=手抜き工事
破風・鼻隠しで横行しやすい手抜き
- ケレンの省略:数時間かけるべき研磨を数分で終わらせる
- 乾燥時間の短縮:1日置くべき工程を半日で塗り重ねる
- 塗り回数の虚偽:3回塗りの契約で2回(または1回)で仕上げる
- 施工直後の見た目では判別不能(塗装の艶は出る)
- 数年以内に剥離という形で結果を露呈
付帯部への「人工(にんく)」のかけ方が業者の誠実さを示す
- 専門家が最初に見るのは「人工」=その作業に何人の職人を何日投入する計画か
- 破風・鼻隠しは形状が複雑で狭小→面積あたりの作業時間は大壁面より遥かに多い
- 100メートルの破風板を丁寧に3回塗り+ケレン→熟練工でも数日分の人工が必要
「一式 30,000円」は、付帯部の重要性を理解していないか、手を抜くつもり
- メインディッシュ(外壁)ではなく、付け合わせ(破風・鼻隠し)へのこだわりに誠実さが表れる
見積書チェックポイント
「一式」見積もりの拒否
- 「一式 ○○円」はブラックボックス
- 施工長さ、使用塗料、塗り回数が保証されない
適正な記載例
破風板(木製)塗装工事:
- ケレン(3種)
- 下塗り(〇〇プライマー)
- 上塗り2回(〇〇シリコン)計3回塗り
- 施工延長 45m
- 単価 1,200円
長さ(m数)、使用塗料名、塗り回数が明記されているか必ず確認
工程写真の提出義務化
- 契約条項に「各工程の写真を提出すること」を盛り込む
- ケレン完了後、下塗り完了後、中塗り完了後、上塗り完了後
特に地上から見えない破風の上端や、雨樋の裏側の写真は必須
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