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2026年の外壁塗装見積もり|値上げより怖い"材料が届かない"リスクと確認すべきこと

著者: 横井隆之

値上げより深刻──「見積もり時の塗料が手に入らない」リスク

2026年の塗料値上げは事実です。メーカー7社がシンナーの50〜80%値上げを実施し、日本ペイントは塗料本体も10〜20%引き上げました。

メーカー7社の値上げ詳細はこちら

しかし、値上げ以上に深刻なのは「仕入れ不能」のリスクです。

  • 関西ペイントのシンナーは次回出荷が6月下旬。今発注しても届かない
  • 見積もり時に指定した塗料が、着工時には入手できなくなっている可能性がある
  • これは「高い・安い」の話ではない。「そもそも使えるかどうか」の話

値上げ額を気にする前に、まずは材料が本当に手に入るかどうか。2026年の見積もりは、ここが最大のチェックポイントです。

25年やってきて、こんな状況は初めてです。今は見積もりを出す段階で、この塗料が着工時に本当に手に入るかを確認することが最優先になっています

見積もり時に確認すべき5つのポイント

以下は施主の方が自分でチェックできるポイントです。特別な知識は必要ありません。

ポイント1:材料は確保できているか、業者に直接聞く

「この塗料、今発注したら届きますか?」と聞くだけで十分です。まともな業者なら仕入先の在庫状況を把握しています。

  • 「大丈夫ですよ」としか言わない業者は要注意。具体的に確認していない可能性がある
  • 「○○メーカーに確認済みで、在庫は確保しています」と答えられる業者は信頼できる

ポイント2:外壁には水性塗料の方が確保しやすい

シンナー不足=油性塗料の供給が不安定になっているということです。水性塗料はシンナーを使わないため、供給面では有利です。

  • ただし「油性→水性」の切り替えには注意点がある(後述)
  • 業者から水性塗料への切り替えを提案された場合は、理由を聞いてから判断する

ポイント3:見積書に塗料名・メーカー名が明記されているか

「シリコン塗料」とだけ書いてある見積書は、材料確保の確認が不可能です。

  • メーカー名・製品名が書いてあれば、施主自身でもメーカーの出荷状況を確認できる
  • 「塗料一式」は論外。何を使うのか分からなければ、何も確認できない
  • 見積書の読み方の基本は 見積書の人工数で品質を判断する方法 も参考にしてください

ポイント4:見積もりの有効期限を確認する

通常1〜2ヶ月だった有効期限が、現在は2週間〜1ヶ月に短縮されている業者もあります。

  • 有効期限切れの見積もりで契約しようとすると、再見積もりで金額が上がる
  • 「この見積もりはいつまで有効ですか?」と必ず確認する

ポイント5:色をなるべく事前に確定しておく

途中での色変更の難易度が、2026年は格段に上がっています。

  • 塗料の在庫が限られている中で、色を変えると別の塗料を追加発注する必要がある
  • Geminiナノバナナ等のカラーシミュレーションツールで、なるべくイメージに近い色を事前に把握しておく
  • 「現場で見てから決めます」は、2026年は通用しにくい

途中で塗料が変わると何が起きるか──剥離リスクの現実

仕入れ不能により、見積もり時の塗料が着工後に変更されるケースが実際に起きています。ここが、2026年の見積もりで最も注意すべきポイントです。

最大のリスク:途中で材料を変えると、塗膜の剥離(はくり)が起きる可能性がある

  • 下塗り材と上塗り材の相性が変わる
  • メーカーが想定した塗装システム(下塗り→中塗り→上塗りの組み合わせ)が崩れる
  • 結果として、2〜3年で塗膜が剥がれるリスクが生まれる

塗料メーカーは、自社の下塗り材と上塗り材をセットで使うことを前提に性能を保証しています。途中で別メーカーの塗料に変えると、その保証の前提が崩れます。

対処法:パーフェクトシーラーなどの万能系シーラーを間に挟んでもらう

パーフェクトシーラーは、異なるメーカーの塗料間でも密着性を確保できる下塗り材です。途中で塗料が変わることが分かった時点で、必ず業者に確認してください。

  • 「万能系シーラーを挟んでもらえますか?」──この一言が言えるかどうかで、10年後の仕上がりが変わる
塗料メーカーは、自社の下塗り材と上塗り材をセットで使うことを前提に性能を保証しています。途中で別メーカーの塗料に変えると、その保証の前提が崩れる。だから万能系のシーラーを挟んで、下地と上塗りの橋渡しをする必要があるんです

水性塗料と油性塗料の違いを詳しく知りたい方は、水性塗料と油性塗料の違いを職人が解説をご覧ください。


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今後の見通し──もう一段上の価格帯が来る

最後に、正直な見通しをお伝えします。

  • 塗料メーカーは一度値上げすると、原材料が下がっても価格を戻したことがない(過去の実績)
  • 2022年のウッドショック後も、木材価格が下落した後にメーカーの建材価格は据え置きだった
  • 現場の感覚として、今後もう一段上の価格帯になる可能性が高い

「安くなるのを待つ」戦略は、塗料業界では機能しません。過去20年以上、値下げに踏み切ったメーカーはありません。

ただし、焦って契約する必要もありません。大事なのは「信頼できる業者を選ぶこと」と「材料が確保された状態で契約すること」です。

正直に言います。塗料メーカーは一度値上げすると、原材料が下がっても価格を戻したことがありません。これは業界にいれば誰でも知っている事実です。今後もう一段上がる可能性は十分あります。ただ、だからといって慌てて契約する必要はない。大事なのは、材料がちゃんと確保できる業者と、納得のいく条件で契約することです

今契約を急ぐべきかの判断基準は、今契約を急ぐべきかの判断基準で詳しく解説しています。

この記事の著者

横井隆之

横井隆之

ヨコイ塗装 代表 / 外壁塗装コンサルタント

業界経験 50著書 3

愛知県扶桑町でヨコイ塗装を経営。塗装業界50年以上の経験と500件を超える施工実績を持つ外壁塗装の専門家。施主の立場に立った公正なアドバイスを提供し、YouTube、ココナラ、MOSHなど複数のプラットフォームでセカンドオピニオンサービスを展開中。

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