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現役を退いた今だから話せる、塗料販売店35年の本音

塗料の良し悪しを本当に知るのは誰か。35年間塗料販売の現場に立ち、現在は引退したベテランだからこそ話せる「塗料選びの本音」を、ヨコイ塗装2代目がインタビュー形式でお届けします。

著者: 横井隆之

「外壁塗装の不都合な真実」——多くの職人や塗料販売店でさえ、その建物に本当に合う良い材料を見極めきれていない、という現実があります。塗料は実際に塗ってから10年以上たたないと、本当に良い耐候性が残るかは分かりません。今回は、35年間塗料販売の現場に立ち、現在は引退したベテランに、しがらみのなくなった今だからこそ話せる「塗料選びの本音」を、ヨコイ塗装2代目がうかがいました。

「同じシリコンでも中身が違う」——含有量という見えない差

35年間売り場に立ったベテランは言います。「同じシリコン塗料でも、1万円のものと3万円のものがある。何が違うかというと、シリコンの含有量が違う」。塗料の名前に「シリコン」とあっても、わずかでもシリコン樹脂が入っていれば名乗れてしまう。含有量で耐久性も価格も大きく変わるのに、それを示す業界共通の基準がないのが現状です。

グレードごとの原価や耐久の違いは、別記事「塗料グレード別「原価」徹底比較」で詳しく解説しています。

売る側も認める「新製品は様子見が正解」

新製品を売る立場にいたベテランが、それでも「新商品は、ある程度の時期は様子を見た方が安心」と言い切ります。塗料の本当の良し悪しは、実際に塗って10年以上の長期スパンを経てからでないと比べられないからです。大手メーカーの新製品が5年で色あせた、という例も珍しくありません。メーカーが勧めるからと簡単に信用してしまうことには、リスクが伴います。

「余るはずのない硬化剤が余っている」——売り場から見えた手抜きの予兆

もう一つ、売り場だからこそ見える話があります。「塗料の中で、余って使わないものがある。しっかり測っていない職人さんが多いから、余るはずのない硬化剤が余っている」。2液型塗料は主剤と硬化剤を正確な比率で混ぜる必要がありますが、目分量で済ませる職人も少なくありません。これが塗膜の品質低下につながります。

硬化剤の余りから手抜きを見抜く方法は、別記事「2液型塗料の計量」で詳しく解説しています。

引退したベテランが施主に勧める「見積もり時の3つの質問」

最後に、しがらみのなくなったベテランが「これを聞けば塗料の扱いに対する意識が分かる」と教えてくれた質問です。

  • 「この塗料の実績は何年分ありますか?」
  • 「塗料の希釈率や硬化剤の配合は、どうやって計量していますか?」
  • 「気温や湿度の記録を取っていますか?」

これらに具体的に答えられる業者は、塗料の扱いに対する意識が高いといえます。

塗料は「名前」ではなく「中身」と「実績」で選ぶ——35年間売り場に立ち、今は引退したベテランの言葉は、売る側のしがらみがないぶん率直です。迷ったときは、第三者の目で見積もりを確認するセカンドオピニオンもご活用ください。

この記事の著者

横井隆之

横井隆之

ヨコイ塗装 代表 / 外壁塗装コンサルタント

業界経験 25著書 3

愛知県丹羽郡扶桑町でヨコイ塗装を経営。施工歴25年・250件超の施工実績を持つ外壁塗装の専門家。著書3冊(外壁塗装の品質公式・外壁塗装の不都合な真実・外壁塗装 工程別チェックポイント21)。独自理論「塗装方程式」の提唱者。施主の立場に立った公正なアドバイスを提供し、YouTube、ココナラ、MOSHなど複数のプラットフォームでセカンドオピニオンサービスを展開中。

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