ホーム/コラム/PXシンナー30〜50%値上げ・副資材も10〜20%|5月1日から塗料業界に何が起きるか【2026年4月速報】

PXシンナー30〜50%値上げ・副資材も10〜20%|5月1日から塗料業界に何が起きるか【2026年4月速報】

2026年5月1日からPXシンナーが30〜50%、副資材が10〜20%値上げ。塗料本体は据え置きだが新規契約には20〜30%条項。KFケミカル色別欠品リストも。横井が実際に受け取った2通のFAXを一次情報として、施主が確認すべきポイントを整理します。

2026年4月21日、私(横井)の手元に塗料販売店と販売代理店から2通のFAXが届きました。内容は「PXシンナー30〜50%値上げ」「副資材10〜20%値上げ」、そして「KFケミカル色別欠品リスト」。どれも5月1日以降の出荷に関わる内容で、現場の材料供給が再び揺れる前触れです。

ただし、この記事では「値上げ前に急いで契約しましょう」とは一切言いません。施主(住宅オーナー)の方が冷静に判断するための一次情報と、契約書・見積もりで確認すべきポイントだけを整理します。

いま手元に届いた2枚のFAX──2026年4月21日時点の一次情報

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2026年4月21日、塗料販売店と販売代理店から2通のFAXが届きました。

1通目(塗料販売店)──「中東情勢悪化に伴う価格対応のご案内」

  • 塗料製品:価格据え置き(※市況悪化が続いた場合は改定の可能性あり)
  • PXシンナー:30〜50%値上げ(2026年5月1日出荷分より)
  • 副資材(シーリング材等):10〜20%値上げ(2026年5月1日出荷分より)
  • 5月1日以降の新規契約先には、塗料製品にも20〜30%の価格改定を適用
  • 注文は当面の使用予定数量に限定するよう要請
  • 短期間に注文が集中した場合、出荷制限または出荷停止の可能性あり

2通目(販売代理店)──「KFケミカル社 欠品情報」(認定施工店宛BCC配信)

  • KFスーパーEPO IIシリーズ色別欠品(再開時期は色により5月中頃〜6月頃)
  • GLANZシーラーSi クリヤー:再開5月頃
  • KFハイブリッドプライマー クリヤー:再開確認中
  • KF防水材全般:出荷時期未定

認定施工店に直接この通知が届いた重み、現場で受ける印象を一言(後日、横井さん本人のコメントに差し替え)

2通のFAXは、どちらも私(横井/WORLDCERA GLANZ認定施工店・認定番号IC-P-170919)が実際に受け取った一次情報です。メーカー・販売代理店が業界向けに出している正式な案内であり、ネット上のまとめサイトや噂話ではありません。

PXシンナーが30〜50%値上げ、副資材も10〜20%(5/1出荷分から)

まず価格改定の中身を正確に整理します。

価格改定の中身(2026年5月1日出荷分〜)

  • PXシンナー(塗料用希釈剤):30〜50%値上げ
  • 副資材(シーリング材等):10〜20%値上げ
  • 塗料本体(既存契約先):据え置き
  • 塗料本体(新規契約先):20〜30%値上げ

PXシンナーは「塗料を薄めて塗りやすくする希釈剤」で、外壁塗装ではほぼすべての工程(下塗り・中塗り・上塗り)で使います。「塗料」ではなく「塗料に混ぜる液体」です。

副資材はシーリング材(コーキング材)・下塗材・養生資材・雨とい修繕資材など、塗料本体以外のあらゆる塗装消耗品を指します。

戸建て住宅(30坪)の外壁塗装では、材料費全体のうちシンナーと副資材が占める割合はおおむね15〜25%です。ここが30〜50%上がると、材料費全体で数万円〜十数万円の押し上げ要因になります。

塗料本体は「据え置き」だが安心できない──新規契約への20〜30%条項という罠

FAXには「塗料製品は価格据え置き」と書かれています。しかし、ここで安心するのは早いです。同じ文面にはこうも書かれていました。

2026年5月1日以降の新規契約先については、塗料製品についても20〜30%の価格改定を適用します

つまり、こういう二重構造になっています。

  • すでに塗料販売店と取引している業者 → 既存価格で仕入れ可能
  • 5月以降に新しく仕入先を開拓する業者 → 塗料本体にも20〜30%上乗せ

施主から見ると、どの業者に頼むか(=業者の仕入れルート)によって、同じ塗料が違う価格で仕入れられているという事実になります。「塗料本体は据え置きだから値上げしない」と言う業者もいれば、仕入れ価格が上がって見積もり総額に反映せざるを得ない業者もいます。

そもそも2026年に入ってから、塗料本体そのものの値上げは断続的に起きています。日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研など主要メーカーは、すでに過去複数回の値上げを発表済みです。詳しくは 2026年の塗料値上げ総合まとめ で整理していますが、「今回は据え置き」という言葉を単独で受け取らず、過去の値上げ分がすでに仕入れ価格に乗っているかどうかも合わせて確認してください。

KFケミカル色別欠品リスト──現場で起きている「この色が塗れない」

2通目のFAXは、KFケミカル社の超低汚染無機塗料「KFスーパーEPO」シリーズの欠品情報でした。色単位で品番レベルの状況が通知されており、認定施工店だけが受け取る情報です。

KFケミカル色別欠品リスト(2026年4月21日時点)

  • KFスーパーEPO II ブラック:再開6月頃
  • KFスーパーEPO II ブラウン:再開6月頃
  • KFスーパーEPO II ホワイト:再開5月中頃
  • KFスーパーEPO II グレー:再開5月中頃
  • KFスーパーEPO ブラウン/ブラック/グレー:再開確認中
  • GLANZシーラーSi クリヤー:再開5月頃
  • KFハイブリッドプライマー クリヤー:再開確認中
  • KF防水材全般:出荷時期未定

この表で特に施主の方に影響するのは、ブラック・ブラウンといった濃色系が6月まで再開しないという点です。外壁の配色で濃色を希望している場合、「その色は5月中は塗れない」という状況が実際に起きています。

GLANZシーラーSi欠品がどの現場・どの工程で影響しているか、具体的なコメントを後日記入

私自身、WORLDCERA GLANZ認定施工店として GLANZシーラーSi クリヤーを下塗材に使う現場を抱えています。5月頃の再開見通しとはいえ、仕入れの段階で「確実にこの日までに入る」という保証はありません。

また、KF防水材全般の出荷時期が「未定」となっているのは非常に重たい情報です。屋上・ベランダ・バルコニーのウレタン防水やトップコート工事が、直接影響を受ける領域だからです。外壁塗装と同時に防水工事を計画している場合、材料の種類と在庫状況を業者に明示的に確認してください。

なぜシンナーと副資材だけが狙い撃ちで値上げされるのか

「塗料本体は据え置きなのに、シンナーと副資材だけがここまで上がる」のには理由があります。

PXシンナー・シーリング材・ウレタン防水材の主原料は、いずれも石油化学製品(ナフサ由来)です。ナフサとは原油を精製して得られる石油化学品の基礎原料で、ホルムズ海峡を通る原油供給の影響を直接受けます。

一方、塗料本体は水性化が進んでおり、溶剤系が上がっても水性に代替することが商業的に可能です。ところがシンナーやシーリング材には、水性代替という選択肢がありません。配合を変える余地がなく、ナフサ価格がそのまま製品価格に転嫁されます。

この構造は、すでに 塗料・資材不足で今できない工事・遅れている工事まとめ でも整理しましたが、今回のFAXはその構造がさらに「5月1日」という具体的な日付で顕在化した形です。

中東情勢が悪化すればナフサが上がる。ナフサが上がればシンナーとシーリング材が狙い撃ちで値上げされる。これは業界の構造的な話であって、一過性のトラブルではありません。

既に契約済みの施主が確認すべきこと

すでに契約を済ませている施主の方は、以下を業者に確認してください。

契約済み施主の確認ポイント

  • 契約書に「材料費変動」条項があるか

    材料費の変動が一定割合を超えた場合、見積もりを再調整する旨の条項

  • 使用予定の塗料・シーリング材の在庫確保状況

    すでに倉庫に入れているのか、これから仕入れるのかで話が変わる

  • 色指定がある場合、KFケミカルや他メーカーの欠品対象ではないか

    欠品対象色を選んでいる場合、工期の調整が必要になる可能性

  • 工期変更が発生した場合の追加費用・保証への影響

    足場レンタル延長費などが発生するかどうか

横井さんが自分の現場で、施主に対して今回のFAX内容をどのように説明しているか、実際のやり取りを後日記入

大事なのは「業者に詰め寄る」ことではなく、「状況を共有してもらえる関係になっているか」を確かめることです。誠実な業者ほど、メーカー側の供給状況を施主に正直に伝えてくれます。

これから見積もりを取る施主が気をつけるべきポイント

これから見積もりを取ろうとしている施主の方は、以下のチェックポイントで業者を見てください。

見積もり時のチェックポイント7つ

  • 「値上げ前に契約を急がせる」業者は要注意

    今回のFAXを営業トークに使い判断を急がせる業者は危険信号

  • 材料在庫の裏付けを説明できるか

    どこの倉庫に・何缶・いつまでに、という具体性

  • 見積書に使用塗料の品番が明記されているか

    「シリコン塗料」ではなく「メーカー名+シリーズ+品番」まで

  • 色指定がある場合、欠品対象色ではないか照合依頼できるか

    濃色を希望する場合は業者に現在の欠品状況を確認してもらう

  • 「材料費変動」条項の有無と中身

    契約後に材料が値上がりした場合の扱い

  • 工期遅延時の足場費用・追加費用のルール

    書面で確認できるか

  • 複数の仕入先を持っているか

    1社依存の業者は供給トラブル時に止まりやすい

「値上げ前に急げ」とまくし立てる業者より、「入荷の見通しが立ってから着工しましょう」と待てる業者のほうが、材料面での体力があります。

値上げの先にあるもの──出荷制限・出荷停止への備え

今回のFAXで最も重たい一文は、価格改定幅そのものではなく、この部分です。

短期間に注文が集中した場合、出荷制限または出荷停止の可能性があります

これは「値上げします」ではなく「注文を絞ってください。場合によっては出荷を止めます」という予告です。

実際、シーリング材の領域ではすでに出荷停止・受注停止が起きています。オート化学工業のシーリング材受注停止については、コーキング材が入らない|メーカー受注停止の実態と外壁塗装への影響 で詳しくまとめた通りです。

つまり今回のFAXは、「価格改定」という体裁を取りながら、実態は出荷制限への移行を施工店側に予告しているとも読めます。

6月以降、中東情勢がさらに悪化した場合、据え置きとされていた塗料本体にも値上げが波及する可能性は十分にあります。これからの数ヶ月、情報を持っている業者と持っていない業者とで、対応のスピードが大きく分かれる時代に入っています。

施主の側としてできるのは、値上げに慌てて契約を急ぐことではなく、「材料の供給状況を施主に共有してくれる業者かどうか」を見極めることです。

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著者:横井隆之(ペンキのミカタ/施工歴25年・250件超・著書3冊/WORLDCERA GLANZ・ROOF 認定施工店 IC-P-170919)

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